となると、自分の撮影スタイルには必要ない機能は削って価格を抑え、コストパフォーマンスを高めたいところ。どんな性能に注目したら過不足ない最適なSDカードを手に入れることが出来るのでしょう? SDカードの容量と転送速度に注目して、選んでみましょう。
SDカードの必要性
一眼レフカメラで撮った写真は、SDカードに保存されます。そのため、SDカードはカメラを買ったら必ず必要な物です。
写真がきれいで高画質になるほど、写真1枚あたりのサイズは大きくなります。動画も同じです。長い時間動画を撮るなら、それだけ大容量SDカードが必要です。
最近では、プロ用一眼レフばかりでなく一般のカメラでもRAWデータでの保存が可能な機種が増えてきました。RAW(ロウ)はカメラが撮ったままの生データなので、JPEG(ジェイペグ)のような圧縮データとは違い、さらにサイズが大きくなっています。
SDカードの3つの種類
サイズ別SDメモリーカードの種類
SDメモリーカード、miniSDメモリーカード、microSDメモリーカードがあります。
このうち、一眼レフに使われるのは、SDメモリーカード(SDカード)。この3種は外形の大きさが違います。miniSDカードやmicroSDカードは、物理的に一眼レフのスロットに合いません。
なお、Canon EOS-1D Mark IIやNikon D5のような大型の一眼レフでは、コンパクトフラッシュ(CF)やCFast、XQDカードを使うカメラもあります。これらのカードは、SDカードより大きく転送速度も速いのです。
容量別SDメモリーカードの種類
SDカードには容量別に、2GB(ギガバイト)までのSDカード、4GB以上32GBまでのSDHCカード、32GB超2TB(テラバイト)までのSDXCカードがあります。
現在製造販売されている一眼レフは3種類どれにも対応していますが、旧製品だと大容量に対応していないカメラがあります。SDカードだけに対応している一眼レフでは、SDHC、SDXCどちらのカードも使えません。SDHCカード対応ならSDカードも使えますが、SDXCカードは使えません。
転送速度別SDメモリーカードの種類
普通のSDカードより理論値で4倍速い速度で転送できるUHS-Iと、12.48倍のUHS-IIがあります。UHS-IIIも規格はありますが、まだ実際の製品はありません。
いまのところ一眼レフでは、UHS-IIに対応している機種はありませんが、ミラーレスのSONY α9のように、UHS-I/UHS-II対応のスロットを備えているカメラもあります。
なお、動画のように安定して長時間転送し続ける速度の基準としては、スピードクラス(例:C10)、UHSスピードクラス(例:U3)、ビデオスピードクラス(例:V90)の3種類の指標があります。4Kでフレームレートの高い動画を一眼レフで撮る人は、こちらのチェックも忘れずに。
SDカードの選び方
転送速度の速いカードを選ぼう
自分の一眼レフの対応してる最速のカードを選びましょう。しかし、もしもパソコンのスロットやカードリーダーが自分のカメラより速いUHS-IやUHS-IIに対応しているなら、パソコン側の速度に合わせたSDカードを選ぶのも手です。
写真1枚あたりのサイズが大きくなり、枚数も多くなると、パソコンへの転送にも時間がかかってストレスになりますよね。転送速度の速いSDカードなら、この時間をぐっと短縮することができます。
撮影スタイルによって容量を選ぼう
旅行に行くのに荷物を減らしたいから大容量のSDカード1枚で。
1枚に全部入れてしまうと、1枚壊れたりなくしたりした場合に全部なくなってしまいます。リスクを分散させるために何枚かにわけて。
1日に撮る写真が入るだけの容量でいいなら比較的小容量で安いSDカードを。
……などなど、自分の撮影スタイル、データをSDカードから取り出してパソコンなどに保存するタイミングにあわせて選ぶと、容量重視か、価格重視か、折り合うポイントを見つけやすいですね。
もしもの時の安全性でSDカードを選ぼう
写真は一瞬一瞬が2度と巡り会えない瞬間を切り取ったもの。撮り直しはききません。間違って落として水にポチャン、硬い地面にガツン……なんてハプニングがあっても大丈夫な防水、耐衝撃性の高いSDカードもあります。
メーカーによっては、データ復旧ソフトを提供しているところもあるので、安心のための目安になります。
一眼レフ用SDカードのおすすめメーカー3つ
一眼レフ用SDカードのにおすすめメーカー3つと特徴や評価を解説します。
- ProGrade Digital(プログレードデジタル)
- SanDisk(サンディスク)
- Transcend(トランセンド)
ProGrade Digital(プログレードデジタル)
ProGrade Digitalは、大手メーカーLexarから離脱したエンジニアが中心になって立ち上げた新進メーカーです。
精鋭メンバーが集まったことで本家Lexarよりも注目されるようになり、日本国内では今SDカード市場で一番人気といってもいいでしょう。
ProGradeのSDカードは一眼レフを使いこなすプロや本格派のカメラマンには特に最適。
というのも読み込み・書き込み共にスピードが一般的な平均値よりも断トツに高速だからです。
長時間のスピード連写撮影や4K動画の録画などで、多くの人がProGrade社製SDカードのクオリティを実感するでしょう。
SanDisk(サンディスク)
SanDiskはもはやSDカードの代名詞ともいえるアメリカの老舗メーカーです。こちらもProGradeと同じくプロや本格派のカメラマンにおすすめ。
プロ仕様のExtreme Proでは読み込みが1秒間に最大300MBと、SDカード業界屈指のスピードを誇っています。
しかし最近は低価格化が進み、趣味で気軽にカメラやホームムーヴィーを楽しむ人にも人気が出てきています。
幅広いユーザーに確かな満足を届けられるのがSanDiskの最たる強みでしょう。
Transcend(トランセンド)
TranscendもまたSanDiskと長くライバル関係にある台湾の老舗メーカーです。
Transcendの何よりもの特徴はコスパの良さ。10年以上前から低価格化戦略を打ち出し、庶民派ユーザーから絶大な人気を得ています。
もちろん安いだけではなく大手メーカーならではの品質の高さやアフターサービスの良さでも知られています。
気軽にカメラや動画を楽しみたい人にとって、TranscendのSDカードはまさにぴったりの品です。
一眼レフにおすすめのSDカード5選
一眼レフに最適なSDカードのおすすめ5選を紹介します。
ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250R
最初に紹介するおすすめの一眼レフに最適なSDカードは、「ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250R」です。
ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250Rの仕様・製品情報
カードタイプ | SDXC |
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最大転送速度 | 読込:250MB/s 書込:130MB/s |
スピードクラス | C10・U3・V60 |
容量 | 128GB |
保障期間 | 3年間 |
ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250Rのおすすめポイント3つ
- 転送速度が速い
- 4K撮影に最適
- コスパ良品
ProGrade Digital (プログレードデジタル) SDXC UHS-II V60 250Rのレビューと評価
プロにも趣味人にも満足のゆく高速SDXCカード
ProGrade DigitalのSDXCカードは、一眼レフの多機能さを引き出せるプロや本格派のカメラマンに最適です。
読み込みが1秒間に250MBと、3万円近くするプロ仕様のカードを除けば業界トップクラスの最大転送速度を誇っています。
動画スピードもV60と他社よりかなり速く、長時間の4K動画撮影も安定的にこなします。
ただカメラによっては連続撮影時間がかなり短くなるとのユーザーの声も。スピードが速くなるほど各種エラーが多くなることも頭に入れておくべきでしょう。
また128GBで現在7,000円台とコスパ良品でもあり、趣味レベルのカメラマンにも手が出せるSDXCカードです。
SanDisk Extreme Pro SDSDXPK 128GB SDXC Class10 UHS-II
次に紹介するおすすめの一眼レフに最適なSDカードは、「SanDisk Extreme Pro SDSDXPK 128GB SDXC Class10 UHS-II」です。
SanDisk Extreme Pro SDSDXPK 128GB SDXC Class10 UHS-IIの仕様・製品情報
カードタイプ | SDXC |
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最大転送速度 | 読込:300MB/s 書込:260MB/s |
スピードクラス | C10・U3 |
容量 | 128GB |
保障期間 | 永久保証 |
SanDisk Extreme Pro SDSDXPK 128GB SDXC Class10 UHS-IIのおすすめポイント3つ
- 業界最速の転送スピード
- 完全なるプロ仕様
- 永久保証
SanDisk Extreme Pro SDSDXPK 128GB SDXC Class10 UHS-IIのレビューと評価
業界NO1の転送スピードを誇る名ブランドのSDXCカード
SanDisk Extreme ProのSDXCカードは何より、SanDiskという業界を牽引するメーカーの製品です。
そのためAmazonでの購入でも同社による販売品であれば永久保証がつくなど、他社製品にはないアフターサービス面での安心感が得られます。
一方、SanDiskはネット市場で偽ブランド品が出回っているので、Amazon購入の際は『並行輸入品』ではないことをチェックするなど、相応の注意が必要です。
最大転送速度は1秒間の読み込みが300MBと数年前の同社の製品よりも一段階上がり、業界NO1といえます。
価格は正規品で3万円台になりますが本格派やプロのカメラマンにとっては至高の一品になることは間違いないでしょう。
Transcend SDカード 128GB UHS-I U3 V30
次に紹介するおすすめの一眼レフに最適なSDカードは、「Transcend SDカード 128GB UHS-I U3 V30」です。
Transcend SDカード 128GB UHS-I U3 V30の仕様・製品情報
カードタイプ | SDXC |
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最大転送速度 | 読込:95MB/s 書込:不明 |
スピードクラス | C10・U3・V30 |
容量 | 128GB |
保障期間 | 5年間 |
Transcend SDカード 128GB UHS-I U3 V30のおすすめポイント3つ
- コスパ良品
- 優れた耐久性
- 日常的な記録に
Transcend SDカード 128GB UHS-I U3 V30のレビューと評価
日々のライフログの記録ベースとして
TranscendのSDカードは普段から大手メーカーとしては最安値の価格帯です。
現在もAmazon限定販売でSDXCカード・128GBが2,000円弱と大変なコスパ良品になっています。
TranscendのSDカードはとにかく普通にカメラやPCで日々の自分を記録したい人のメモリーベースとして最適なものです。
水深1mの水に30分浸しても壊れない防水性や静電気への強い耐性など、他社にはない耐久力も大きな魅力の一つ。
カスタマーサポートのコールセンターが平日の日中にあるなどアフターサービスも充実。
ただカメラの挿入部へのフィット感のなさが多くのユーザーから指摘されており、互換性はあまり高くないようです。
東芝 無線LAN搭載SDHCメモリカード 64GB Class10 UHS-1Flash Air SD-UWA064G
次に紹介するおすすめの一眼レフに最適なSDカードは、「東芝 無線LAN搭載SDHCメモリカード 64GB Class10 UHS-1Flash Air SD-UWA064G」です。
東芝 無線LAN搭載SDHCメモリカード 64GB Class10 UHS-1Flash Air SD-UWA064Gの仕様・製品情報
カードタイプ | SDHC |
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最大転送速度 | 読込90MB/s 書込70MB/s |
スピードクラス | C10・U3 |
容量 | 64GB |
保障期間 | 不明 |
東芝 無線LAN搭載SDHCメモリカード 64GB Class10 UHS-1Flash Air SD-UWA064Gのおすすめポイント3つ
- Wi-Fi対応
- スマホに転送可能
- ここに記入
東芝 無線LAN搭載SDHCメモリカード 64GB Class10 UHS-1Flash Air SD-UWA064Gのレビューと評価
大勢でメモリーを共有し合えるWi-Fiカード
この東芝のSDHCメモリーカードはやはり無線LANが可能な点に最大の特徴があります。
SDカードなのにWi-Fiが使えてスマホとタブレットに転送することも可能。さらに7台に一斉同時転送もできるので、合コンなど大勢の集まりには重宝しそうです。
少し前までWi-Fiカードは16GBが主流でしたが、現在では当商品のように64GBが多く出回り、保存のデータベースとしても使えます。
記録速度も上がったので連写を多用する一眼レフのユーザーニーズにも充分応えるものでしょう。
シリコンパワー SDHCカード 32GB Class10
最後に紹介するおすすめの一眼レフに最適なSDカードは、「シリコンパワー SDHCカード 32GB Class10」です。
シリコンパワー SDHCカード 32GB Class10の仕様・製品情報
カードタイプ | SDHC |
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最大転送速度 | 読込90MB/s 書込85MB/s |
スピードクラス | C10・U3・V10 |
容量 | 32GB |
保障期間 | 永久保証 |
シリコンパワー SDHCカード 32GB Class10のおすすめポイント3つ
- 最安値・小容量
- デジカメの保存ベースに
- 永久保証
シリコンパワー SDHCカード 32GB Class10のレビューと評価
ムダに高性能なSDカードはいらない!
最近のSDカード市場はスペック争いが激化しており、一般ユーザーのニーズからかけ離れているものも少なくありません。
「そんなもの必要性があるのか、基本性能さえあればいいよ」という方には、このシリコンパワーのSDHCカードが最適。値段もその分1,000円前後の価格帯です。
それでもクラス10の転送スピードや優れた耐衝撃性なども備えており、ミラーレスやデジタル一眼にも使えます。容量の少なさからデジカメにも向いています。
あまり知られていないメーカーだからか、永久保証を売りにしているのも注目点。とにかくSDカードにはお金をかけたくない人にはピッタリの一品です。
まとめ
人によって撮影スタイルが違うので、SDメモリーカードの容量はお好み次第です。転送速度はできるだけ速い方が、撮影後パソコンなどに移すときにもストレスが少なくて快適です。撮影データを保護するためには、耐衝撃性能の高いSDカードを選ぶことも視野に入れましょう。