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あの頃を思い出す【青春小説】ジャンル別のおすすめ20選|中学生・高校生にも
恋愛小説のおすすめ15選
恋愛小説のおすすめを紹介します。
島本理生『ナラタージュ』
ナラタージュのおすすめポイント3つ
- 恋愛小説の王道
- 先生とJK
- 不倫と純愛
ナラタージュのレビューと評価
真実の愛は思い出の中に
『ナラタージュ』は日本を代表する恋愛小説として名高い作品であり、島本理生、初の書き下ろし長編作でもあります。日本の女の子たちがキュンキュンする要素が詰まっており、どストレートなラブストーリーで泣きたいという方にはぜひ読んでほしい小説です。
先生を好きになったJKが、女子大生になってその恋を再燃させるというのが大筋であり、不倫など複雑な恋愛模様が描かれています。
真実の愛とは結局、表面はどんどん崩れていっても芯だけは残るもの。そんなテーマが懐中時計をメタファーとして伝わってきます。タイトルのナラタージュとは、過去の思い出話を語る文体を意味します。ヒロインの回想録として描かれることで、それが余計にこの恋愛を永遠のものに引き立てています。
吉本ばなな『Tugumi』
Tugumiのおすすめポイント3つ
- ばなな文学
- 悲恋もの
- 恋と死
Tugumiのレビューと評価
ロックな美少女の最期の恋
『Tugumi』は英語のタイトル通り、数カ国に翻訳されたワールドワイドな吉本ばななの代表作です。昔から佳人薄命と言うよう、この物語でも美少女、つぐみは高校生ながら死にゆく難病を抱えています。しかし、つぐみはひと言で言えばロックな性格で、回りの人たちを振り回すタイプでもあります。
そんなつぐみが恋をしたことから話はぐっと深まってゆきます。死を前にした少女の恋とは恋愛ものの王道ですが、吉本ばななの唯一無二の文芸によってオンリーワンな魅力を放っています。
あとに書く『グレート・ギャツビー』もそうですが、恋する2人を知る第三者の人物が語り手になっているスタイルであり、それがこの物語をよりリアルに切実に味合わせてくれます。
山本文緒『恋愛中毒』
恋愛中毒のおすすめポイント3つ
- ファムファタール
- 狂気の愛
- 破滅型の愛
恋愛中毒のレビューと評価
愛への執着という人間の性
恋愛でボロボロになり、もう恋なんて二度としないと誓った中年女、水無月が皮肉にも女たらしのスター作家に恋をするという話です。いわば、サメにかみつかれて死にかけたサーファーが治ったあとにまたサーフィンにゆくような感じでしょうか。
タイトル通り、恐れしらずの恋愛中毒が描かれています。水無月は一種のファムファタールでもあり、男を破滅させるタイプの女です。その男への執着心は一体どこから来るのでしょうか。
恋愛にもダークサイドがあり、人生そのものを飲み込む闇の渦になることもあります。そういったものを生み出す虚無を真正面から見つめた小説だと言えます。
村上春樹『ノルウェイの森』
ノルウェイの森のおすすめポイント3つ
- ハルキ文学
- 大失恋
- 2人の女の間で揺れる男
ノルウェイの森のレビューと評価
大失恋の先には、何が待っているのか?
村上春樹が初めて「普通の小説」を目指した恋愛長編作であり、ハルキ文学らしいシュールさは一切ありません。彼のキャリアの中では異例中の異例なのですが、日本で最も人気のあるハルキ作品でもあります。
『ノルウェイの森』とは精神を病んだヒロインが入った療養所がある山深い場所のメタファーです。ビートルズの名曲でもあるそれは、主人公の僕が迷い込んだ恋愛の迷宮をも意味するでしょう。
僕は決して報われない恋と手が届く恋の間で揺れ動きます。失恋とは喪失以外の何ものでもない。この厳格なリアリズムの向こうに何があるのか、それを考えさせてくれる物語です。トラン・アン・ユン監督による映画版もすばらしいので、原作を読んだらぜひ見て欲しいです。
スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
グレート・ギャツビーのおすすめポイント3つ
- アメリカ文学の最高峰
- 悲恋の純愛
- 村上春樹の翻訳
グレート・ギャツビーのレビューと評価
金と欲望の富裕層の中で輝くイノセンス
『グレート・ギャツビー』は20世紀のアメリカ文学を代表する作品であり、数年前にもハリウッドで映画化された今も人気を誇る名作です。出版は1925年と100年近く前になりますが、フィッツジェラルドの大ファンである村上春樹の新訳によって単行本はとても読みやすくなっています。
ギャツビーは大富豪で毎晩のように自宅で盛大なパーティを開いています。しかし実はそれは思いを寄せるデイジーを引き寄せるための壮大な仕掛けでした。ギャツビーのイノセントな純愛によって、周囲の人間の俗悪さが浮き上がる、そんな悲恋ものになっています。
『グレート・ギャツビー』の出版後、アメリカは大恐慌に陥りすぐに第二次世界大戦が始まります。本作はただの恋愛ものではなく、続く時代の不吉な予兆という社会的なメッセージ性もふくんでいます。
中村朱里『魔法使いの婚約者』
魔法使いの婚約者のおすすめポイント3つ
- なろう小説
- 恋愛ファンタジー
- 剣と魔法の世界
魔法使いの婚約者のレビューと評価
生まれ変わったら、美少年の魔法使いのフィアンセに
一転して、ライトノベル、ラノベの恋愛小説を紹介します。「なろう小説」をご存知でしょうか。『小説家になろう』という小説投稿サイトに送られた小説の総称であり、出版化された人気作品も多数あります。
本作『魔法使いの婚約者』もまたその一作です。ラノベの恋愛ファンタジーの多くは別世界への転生から始まります。本作でも、ヒロインは現世で事故にあって剣と魔法の世界に生まれ変わります。美少年の魔法使いは、魔王との戦いの選抜メンバーであり、ヒロインは彼を戦争へと見送る立場にあります。
ファンタジーとはいえ、ストーリーと共に揺れ動く多くのキャラの心理描写がすばらしく、物語に引き込まれます。先の『ナラタージュ』と同じく、回想録形式であるのも魅力的な点です。シリーズになっているので、一作目が気に入ればあとの作品もきっと満足できるものになるでしょう。
小鳩子鈴『森のほとりでジャムを煮る』
森のほとりでジャムを煮るのおすすめポイント3つ
- 異世界スローライフ
- 田舎暮らしファンタジー
- ほっこりラブストーリー
森のほとりでジャムを煮るのレビューと評価
ほっこりスローライフが一転して王都に
『森のほとりでジャムを煮る』もまたラノベの「なろう小説」であり、出版化もされた大人気作品です。ヒロインは現世から転生してマーガレットとなり、精霊の招き人という役割を担って田舎暮らしを始めます。
普通、ラノベ・ファンタジーでは転生後に戦乱などスリリングな展開が始まりますが、本作はその真逆。マーガレットは基本、田舎暮らしを満喫しています。が、王都に招待されてミッションを受けたことから、少しエンジンがかかり、マークとのほっこりした恋愛も始まります。
「休憩時間のお菓子」的に楽しんでという著者、小鳩子鈴の言葉どおりに楽しめる作品です。また『小説家になろう』サイトでは本作が無料で読めること、そしてコメントすると大抵は著者から返信が来ることも嬉しい点です。
住野よる『君の膵臓をたべたい』
君の膵臓をたべたいのおすすめポイント3つ
- 小説家になろう
- 大ヒット映画化作品
- 悲恋、不治の病
君の膵臓をたべたいのレビューと評価
衝撃的なタイトルに込められたもの
『君の膵臓をたべたい』はラノベの「なろう小説」で最も成功した作品だと言えるでしょう。映画版も大ヒットし、キミスイとして一大ブームにもなりました。
まず、衝撃的なタイトルが目を引きます。ヒロインが膵臓の難病であることから、主人公である僕がその膵臓を取ってやりたいと思っているのかと思いがちです。しかし、事実はその逆。古来の言い伝えになぞらえ、ヒロインが僕の膵臓を食べることで、自身の病気を治したいと思っているのです。
しかし、ヒロインのこの言葉には僕に対する大いなる敬意が含まれています。不治の病の悲恋ものというラブストーリーの王道ですが、2人のキャラがすばらしく立っているのでオリジナル感あふれる作品になっています。
七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
ぼくは明日、昨日のきみとデートするのおすすめポイント3つ
- 恋愛ミステリー
- 恋愛ファンタジー
- パラレルワールド
ぼくは明日、昨日のきみとデートするのレビューと評価
愛した人は、すべてお見通しのフシギな子
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は数年前、小松奈菜がヒロインになって映画化もされた人気作品です。主人公の大学生、南山が通学電車で一目ぼれした女の子に声をかけると、その子は涙を流して喜ぶ。一体、なぜなのか。まずこの冒頭からグっと話の中に引き込まれます。
ヒロインの愛美はことごとく未来を知っているので、単純に予知能力者かと思われます。しかし、それよりも遥かに斬新な仕掛けが用意されています。愛美は現世とある点で決定的に違った「となりの世界」から来た人なのです。
根本的には真逆のパラレルワールドとラブストーリーをミックスした構造になり、このアイデア設定だけでも読みたいと思わせる作品です。
山田詠美『放課後の音符 キーノート』
放課後の音符 キーノート のおすすめポイント3つ
- ラブストーリー短編集
- JKの背伸びした恋
- 恋のテキスト
放課後の音符 キーノート のレビューと評価
過激な女子高生を見つめるマジメな私
山田詠美による『放課後の音符 キーノート』は、8編からなる女子高生の恋愛短編集です。時代は90年代、JKではなく女子高生、LINEではなく噂話の時代ですが、少女たちの恋愛そのものは不変的で、今も恋愛テキストとしてJKたちにおすすめしたい作品です。
どの短編も語り手の私はマジメな子で、カタカナ表記の知人は色んな意味で過激な子になります。寝取り系の女子や年上食いの女子など、10代の恋愛の端っこにいるような子たちです。しかし、それを見つめる私が誠実なので、読者を置き去りにしません。
恋にゆれる女子高生たちの気持ちを、音符にたとえるセンスもまたすばらしいです。
綿矢りさ『ひらいて』
ひらいてのおすすめポイント3つ
- 嫉妬
- レズビアン
- 三角関係
ひらいてのレビューと評価
「ひらいて」の言葉に込められたものとは?
若干19才で芥川賞作家になった綿矢りさのいびつな恋愛小説です。カワイイ見た目とは裏腹に、綿矢りさは女性の心の中の暗部を照らし出すストーリーを得意としています。
後味の悪い嫌なミステリー作をイヤミスと言いますが、本作『ひらいて』はイヤラブとも言える異様な恋愛感情を描いた作品です。ヒロインで女子高生の愛は好きな男に告白できず、難病を抱えた男の恋人に近づいてゆきます。
やがてその恋人に性愛を欲しますが、それは好きという感情から程遠いものでした。本作は純愛と対極にあるもの、略奪愛でさえない愛情のダークサイドに切り込んだ勇敢な作品です。「ひらいて」という最後のヒロインの言葉は、とても多くのことを物語ります。
渡辺淳一『失楽園』
失楽園のおすすめポイント3つ
- 300万部ベストセラー
- 不倫、官能小説
- 衝撃のラスト
失楽園のレビューと評価
笑ってすませられない衝撃のラスト
『失楽園』は1997年に出版されて以来、上下巻で累計300万部を売り上げた大ベストセラー作であり、映画やドラマになってことで、失楽園ブームという社会現象にまでなりました。『失楽園』は今も不倫の代名詞になっています。
話もその通り、中年の編集者と書道家の女との不倫を描いています。古風で品のある女が、男の手ほどきで性愛の喜びにおぼれてゆくという筋は著者、渡辺淳一の持ち味であり、かつ昭和の男たちの大好物でもありました。
あまりにも有名な衝撃的ラストは、コメディのオチのようにも見えます。しかし、そこには同時に笑い飛ばせない男と女の悲しい宿命も潜んでいます。幸福が遠のくほどに、燃え上がってゆく恋もある。それもまた恋愛というものの大きな一面なのだということを教えてくれます。
E.L.ジェイムス 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイのおすすめポイント3つ
- 主婦ポルノ
- 1億部以上の世界的ベストセラー
- SM、変態性欲
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイのレビューと評価
純真な女子大生は、変態エリートを救えるのか?
1人の主婦が、映画化もされた小説『トワイライト』から想像をふくらませて書いた小説です。英語圏ではファン・フィクションと呼ばれるジャンルで、主婦の妄想が元になった官能小説なのでマミーポルノとも呼ばれています。
しかし、そんな主婦の趣味が何と、全世界で1億2千部以上も出版されることになり、映画版も大ヒットすることになりました。ヴァージンで純真な女子大生、アナが、ゆがんだ性欲を持つ27歳のエリート、グレイに恋をするというのが大筋です。恋心から女子大生は、男のSMプレイにハマってゆきます。
しかしグレイの哀しい過去を知って親密になるにるにつれ、アナは彼を目覚めさせようとします。罪人を改心させるという意味で、ピューリタニズム的な宗教観も感じさせます。原題の『50 Shades of Grey』とは、グレイの中の50の影の人格といった意味で、彼の病の深さを物語っています。
又吉直樹『劇場』
劇場のおすすめポイント3つ
- 劇団員の恋
- 恋愛に不器用な男
- 純文学が描く純愛
劇場のレビューと評価
恋愛ベタな2人の哀しいラブストーリー
「恋愛小説は、恋愛がうまい人だけが書くものじゃない」著者、又吉直樹は本作『劇場』についてこう語っています。
その通り『劇場』では劇団員の永田も、その恋人の沙希も、恋愛ベタで恋愛に不器用です。永田は好きの一言も言えないマッチョな頑固者で、沙希は永田の好みの女を演じようとする尽くす女です。どちらも昭和の典型的な男女とも言え、又吉が好む純文学というジャンルにもぴったりです。
『劇場』を読むと、今60歳を過ぎて熟年離婚する夫婦は若い頃、こういうふうに結びついたのかと思わせもします。そういう意味で、本作には戦後日本人の恋愛のルーツも感じられます。そこからいかにして日本人は恋愛上手になっていったのか。それについて考えさせてくれる小説でもあります。
ウラジミール・ナボコフ『ロリータ』
ロリータのおすすめポイント3つ
- 中年の少女への愛
- 破滅に向かうロリコン
- ニンフェットという名の妖精
ロリータのレビューと評価
ロリコンは本当にただの変態なのか?
最後は極めて異質な恋愛小説『ロリータ』を紹介します。ロリコンの語源になったものであり、この言葉に聞き覚えがない人はほぼいないでしょう。『ロリータ』は1955年に出版された小説であり、今や世界文学の1つとして古典の名作になっています。ロリコン小説がなぜと思われる方も多いでしょう。
主人公、ハンバートによれば9才から14才の少女の中に、ニンフェットと呼ばれる魅惑的な少女たちが紛れています。ハンバートはそんな少女に恋をして破滅的な人生を歩んでゆきます。
果たして彼はただの変態性欲者なのか、それとも大人と少女の結びつきはごく自然なことなのか。読者はその判断をゆだねられます。そして、最後にはハンバートが夢見たニンフェットがアートの中にしか存在しないという現実が突きつけられます。
恋愛小説おすすめの重要ポイントまとめ
この記事の重要なポイントは以下の3つです。
- かなり幅広いジャンルの恋愛小説をピックアップ
- かなり深めの解説
- 古典の名作から最新作まで、時代を超えたラインナップ