中学生が漫画や映画のように楽しめる小説なんてあるわけない。そもそも本を読むこと自体がめんどくさいし楽しくない。
そんな思いを抱く中学生でも大好きな漫画やアニメ映画についてよりよく知れる原作小説があれば少しは興味がわくはずです。
人気小説は読みやすい上に映画化されたものが大半なので小説の初心者でも大抵はすんなりと入って行けます。
一度文学賞を受賞した私も映画が小説の入り口になり、そのうちキャラの深い心理描写など小説にしかない魅力に気づかされました。
青春・恋愛・推理ミステリー・ファンタジーなど中学生の男子・女子が共に面白いと思える小説はたくさんあります。
人気ランキングにある名作から個人的な推しもふくめて幅広く解説しますので、読書を始めたい学生さんはどうぞご参考にしてください。
【文学賞作家が選ぶ】初心者でも読みやすい小説15選｜高校生から大人まで！
この記事を書いたライター：ツバキ
2009年に宙目(ユマ)ケンというペンネームで幻冬舎主催の『パピルス新人賞』を受賞し、翌年『カミナリラヴァー』(幻冬舎)で小説家デビューしました。
以降はキンドル出版のKDPやカクヨム・noteなどの投稿サイトで小説を発表しながら、コツコツとマイペースで書き続けております!(^^)!。
【映画化された人気作品】中学生におすすめの小説ランキング6選
【6位】今夜、世界からこの恋が消えても
| 作者 | 一条岬 |
|---|---|
| 発売日 | 2020年02月22日 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| ページ数 | 320ページ |
| 映画公開日 | 2022年7月29日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.5)
社会性
(3.5)
ポイント
- 原作と映画版が韓国で大ヒットしたことでも話題の小説で話し言葉のような文体が読みやすい
- 1日ごとに記憶がリセットされるヒロインとの恋を通じて高校生が今を生きることの尊さに気づく成長物語
- ヒロインと恋をする神谷透にも大きな秘密がありラストには涙を誘う感動ドラマ
気になるポイント
- 特別なことは何もない日々の中のリアルなドラマや恋愛ものが見たい方にはやや不向き
こんな人におすすめ
初心者でもサクサク読みやすい文体で、大ヒットした映画版と一緒に楽しめるエンタメ性と感動の両方がある小説をお探しの方におすすめします。
【5位】博士の愛した数式
| 作者 | 小川洋子 |
|---|---|
| 発売日 | 2005年12月1日 |
| 出版社 | 新潮社 |
| ページ数 | 214ページ |
| 映画公開日 | 2006年1月21日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.5)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.5)
社会性
(4.0)
ポイント
- 10歳の少年と64歳の数学博士の不思議でおかしな交流を通じて勉強のおもしろさを教えてくれる
- 少年の頭の形から√（ルート）と名付けたり阪神タイガースのファンだったりと博士のキャラが魅力的
- 博士が語る数学を通して当たり前に思っていた世界や人への見方が変わるような驚きを与えてくれる
気になるポイント
- 博士には強いこだわりや気難しい面があり特に理屈っぽい人が苦手という人にはやや不向き
こんな人におすすめ
勉強好きな学生さんで、何気ない日常の中で学問の素晴らしさを楽しく教えてくれるような小説をお探しの方におすすめします。
【4位】ペンギン・ハイウェイ
| 作者 | 森見登美彦 |
|---|---|
| 発売日 | 2010年5月29日 |
| 出版社 | 角川文庫 |
| ページ数 | 387ページ |
| 映画公開日 | 2018年8月17日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(4.0)
感動
(4.0)
社会性
(4.5)
ポイント
- 小学4年生の男の子の1人称文体なので読みやすく子供らしいカワイらしさもたっぷり
- 少年が歯科医院勤めの大人の女性に恋をするなどユニークな展開が面白い
- 海辺の町に突然ペンギンの群れが現れた謎を解こうとするミステリアスな魅力もあり
気になるポイント
- シュールで象徴的な展開で進む文学性があるため読者自らが考えながら読む必要がある
こんな人におすすめ
アニメ映画になった原作で、読みやすく文章そのものの魅力も味わえる子供が主人公のファンタジー系小説をお探しの方におすすめします。
【3位】スタンド・バイ・ミー
| 作者 | スティーブン・キング |
|---|---|
| 発売日 | 1987年3月25日 |
| 出版社 | 新潮社 |
| ページ数 | 434ページ |
| 映画公開日 | 1987年4月18日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(5.0)
社会性
(5.0)
ポイント
- 12歳の少年4人組が事故死した少年の死体探しのために2日間の旅に出る夏の冒険もの
- アメリカ普及の青春映画の原作で映画にはなかった少年たちの心情や後日談などが楽しめる
- 思春期の少年たちに特有の葛藤が見事に描かれていて大人になっても読める文学性あり
気になるポイント
- 1960年前後のアメリカの片田舎が舞台なので文化や習慣といった点では共感しにくい面がある
こんな人におすすめ
時代を超えた世界的な人気のある名作で、中学に上がる前の思春期の楽しさや悩みがリアルに描かれた小説をお探しの方におすすめします。
【2位】わたしを離さないで
| 作者 | カズオ・イシグロ |
|---|---|
| 発売日 | 2008/8/25 |
| 出版社 | 早川書房 |
| ページ数 | 450ページ |
| 映画公開日 | 2010年9月15日（アメリカ） |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.5)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(4.0)
社会性
(5.0)
ポイント
- 日本出身でノーベル賞作家のカズオ・イシグロの代表作で英国映画の他にも日本でTVドラマと舞台にもなった名作
- クローンが理不尽な理由から人生を淡々と奪われてゆく展開には青春や人生そのものへの象徴性あり
- クローン同士の恋愛やクローン差別を通じて人間考察を促す深遠さがありながら文体は非常に読みやすい
気になるポイント
- 心理描写や明快な説明のない乾いた文体のため読者が自主的に読み取ってゆく必要がある
こんな人におすすめ
世界的な名作でも読みやすく、面白いSF的な設定で青春や人生そのものを考えさせてくれる小説をお探しの方におすすめします。
【1位】ノルウェイの森
| 作者 | 村上春樹 |
|---|---|
| 発売日 | 1987年9月4日 |
| 出版社 | 講談社 |
| ページ数 | 417ページ |
| 映画公開日 | 2010年11月23日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.5)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(5.0)
社会性
(5.0)
ポイント
- 名匠トラン・アン・ユン監督の映画版も世界的に評価された村上春樹の本格的な青春小説
- 読みやすい上に小説ならではの文芸性もあり緑や直子などキャラクターの魅力も光っている
- 恋愛と喪失を通じて人生の真髄を突く文学的な深みもあり読んだ年代ごとに違った味わいが出る
気になるポイント
- 1970年代前後の青春なので登場人物への感情移入が難しい面もある
- 上下本で400ページを超える大長編なので小説の初心者にはやや不向き
こんな人におすすめ
読みやすい青春長編で、時代を超えた恋愛の輝きが描かれ文章自体にも魅力がある小説をお探しの方におすすめします。
【青春】中学生におすすめの小説ランキング3選
【3位】下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
| 作者 | 嶽本 野ばら |
|---|---|
| 発売日 | 2004年3月5日 |
| 出版社 | 小学館 |
| ページ数 | 315ページ |
| 映画公開日 | 2004年5月29日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(4.5)
社会性
(4.5)
ポイント
- ロリータ趣味のJKとバリバリのヤンキーという対照的な2人組が引っ張る凸凹展開は映画と同じく面白い
- 中島哲也監督作は日本の青春映画の時代を超えた名作で原作ではロリータ文化の源流が詳しく知れる
- 自分とはまったく違う人と互いの短所を補い合うことで生まれる友情には深みがあり感動を生む
気になるポイント
- 気さくな話し言葉であるものの長文構成かつ学術的なエッセイ要素があり小説初心者にはやや難しい
こんな人におすすめ
スポーツでも勉強でもない青春もので、少し変わった女子の友情を描いたユーモラスで面白い小説をお探しの方におすすめします。
【2位】くちびるに歌を
| 作者 | 中田永一 |
|---|---|
| 発売日 | 2011年11月29日 |
| 出版社 | 小学館 |
| ページ数 | 259ページ |
| 映画公開日 | 2015年2月28日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.5)
社会性
(4.0)
ポイント
- 新垣結衣さん主演の映画や合唱曲にもなった話題作で中学校の合唱部が描かれているため中学生にぴったり
- 臨時教員の柏木を始め優等生・ぼっち・体育会系の生徒たちなど多様な人間関係があり感動要素もたっぷり
- Nコンや「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」の課題曲など実在する要素がメインであり小説世界に入りやすい
気になるポイント
- 地の文と色んな手紙が交錯する構成なので読みこなすには小説初心者にややハードルが高め
こんな人におすすめ
部活に打ち込む中学生の青春もので、ユニークな設定で男子も女子も大勢のキャラが描かれた小説をお探しの方におすすめします。
【1位】ぼくらの七日間戦争
| 作者 | 宗田 理 |
|---|---|
| 発売日 | 1985年4月1日 |
| 出版社 | 角川書店 |
| ページ数 | 318ページ |
| 映画公開日 | 実写版：1988年8月13日/アニメ版：2019年12月13日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(4.5)
社会性
(5.0)
ポイント
- 中学生の1クラスの男子全員が廃工場に立てこもって学校や大人たちに反抗する展開はワクワクして面白い
- 40年近く前の小説でも短文構成で非常に読みやすく大勢の中学生たちそれぞれがキャラ立ちして魅力的
- 「ぼくらの」シリーズとして時代を超えて小説が発表されていて高校生編もあるので長く愛読することができる
気になるポイント
- スポーツや恋愛や勉強など普通のジャンルの青春ものが好きだと言う方にはやや不向き
こんな人におすすめ
大人への犯行が主題の青春もので、考えさせられる社会性とユーモラスで面白い展開が共にある小説をお探しの方におすすめします。
【恋愛】中学生におすすめの小説ランキング3選
【3位】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
| 作者 | 汐見夏衛 |
|---|---|
| 発売日 | 2016/7/28 |
| 出版社 | スターツ出版 |
| ページ数 | 275ページ |
| 映画公開日 | 2023年12月8日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(4.0)
感動
(4.5)
社会性
(5.0)
ポイント
- ケータイ小説が元なので非常に読みすく現代から戦時中への超時空トリップによるギャップも面白い
- 死ぬ運命にある特攻隊の彰（アキラ）と現代の女子中学生によるひと時の恋なので感動が深まる
- 映画の公開日も太平洋戦争の開戦日・12月8日になるなど今の時代の若者に向けた戦争ドラマ
気になるポイント
- なぜタイムスリップしたのかなどSFファンタジーとしてのリアリティを求める方にはやや不向き
こんな人におすすめ
最新映画の原作本で、極限状況における女子中学生の一途な恋が描かれたファンタジー色もある小説をお探しの方におすすめします。
【2位】小説 君の名は。
| 作者 | 新海 誠 |
|---|---|
| 発売日 | 2016年6月18日 |
| 出版社 | 角川書店 |
| ページ数 | 262ページ |
| 映画公開日 | アニメ：2016年8月26日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(5.0)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.5)
社会性
(3.5)
ポイント
- 一大ブームになったアニメ映画版の原作本で監督の執筆により映画に秘められた部分が知れて面白い
- 高校生の瀧（たき）と三葉（みつは）が時空を超えて運命のカタワレを探す話は壮大かつ感動的
- 瀧が入れ替わりの三葉の胸をさわる有名な場面など小説ならではの描写やキャラの深い心情を楽しめる
気になるポイント
- 学生時代の恋をリアリティたっぷりに読みたいという方にはややロマンチックすぎる展開
こんな人におすすめ
ボーイミーツガールの王道恋愛もので、SFミステリーの魅力もあり映画版と合わせて読むとより面白い小説をお探しの方におすすめします。
【1位】黄色い目の魚
| 作者 | 佐藤多佳子 |
|---|---|
| 発売日 | 2002年10月30日 |
| 出版社 | 新潮社 |
| ページ数 | 345ページ |
| 映画公開日 | – |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(5.0)
社会性
(4.5)
ポイント
- 高校生の悟とみのりの男子・女子両方の思いが話し言葉で交互につづられていて感情移入しやすい
- お互いに複雑な家庭環境で育った2人が絵を通じてまっすぐ純粋につきあう姿は感動的
- 少年少女だけではなく多様な大人の姿も描かれているためどんな年代でも楽しめる文学性あり
気になるポイント
- 話し言葉の口語体ではありながらかなり乱暴な口調も混じっているため読みにくい面もあり
こんな人におすすめ
リアルな学園ラブストーリーで、アート系の男子と女子両方の心情が等身大の話し言葉で描かれた小説をお探しの方におすすめします。
【推理（ミステリー）】中学生におすすめの小説ランキング3選
【3位】先生と僕
| 作者 | 坂木司 |
|---|---|
| 発売日 | 2007年12月25日 |
| 出版社 | 双葉社 |
| ページ数 | 225ページ |
| 映画公開日 | – |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(3.5)
感動
(4.0)
社会性
(4.0)
ポイント
- 殺人など恐いシーンのある物語が苦手な大学生が主人公のライトミステリーなので多くの人が楽しめる
- 大学生が家庭教師先のミステリー好きな中学生を先生にして謎を説いてゆくギャップ展開が面白い
- 身近にある軽犯罪のミステリーなので親近感がわき謎解きの論理も明快で分かりやすい
気になるポイント
- 理屈っぽい生意気な子供がどうも苦手だという人にはやや不向きかも
こんな人におすすめ
ミステリー小説の初心者の中、学生探偵コンビの元で恐いシーンがなく気軽に楽しめるミステリー小説をお探しの方におすすめします。
【2位】かがみの孤城
| 作者 | 辻村 深月 |
|---|---|
| 発売日 | 2017年5月11日 |
| 出版社 | ポプラ社 |
| ページ数 | 415ページ |
| 映画公開日 | 2022年12月23日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(5.0)
恋愛・友情
(4.0)
感動
(4.5)
社会性
(4.0)
ポイント
- 中学生7人が鏡の向こうのパラレルワールドに飛ばされる話で思春期の読者の人気が高く読書感想文にも最適
- 2018年「本屋大賞1位」を取るなど大人からの人気も絶大でミステリーとしての完成度も高く評価されている
- 異世界の孤城で謎解きをするというゲーム的な主題がありエンタメとしてワクワクしながら読める
気になるポイント
- パラレルワールドやクローズド・サークルなど設定が現実離れしたミステリーがあまり好きじゃない方には不向き
こんな人におすすめ
ゲーム的な設定のミステリーで、ワクワクの展開と共に中学生の男子・女子のリアルな悩みも描かれた大人気小説をお探しの方におすすめします。
【1位】15歳のテロリスト
| 作者 | 松村 涼哉 |
|---|---|
| 発売日 | 2019年3月23日 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| ページ数 | 256ページ |
| 映画公開日 | – |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(5.0)
恋愛・友情
(4.0)
感動
(4.5)
社会性
(5.0)
ポイント
- 読みやすく疾走感のある文体が魅力的で大胆なテロ行為を犯す15歳の篤人を表すのにピッタリ
- 少年に黒幕がいる疑惑など社会の闇に切り込むテーマがあり大人の読者でも読み応えあり
- 少年犯罪の被害者と加害者の両方の視点が中立に描かれているため少年法への深い理解を促す
気になるポイント
- 犯罪ドラマがメインのミステリーものでもミステリーの完成度の高さを重視している人にはやや不向き
こんな人におすすめ
読者をグイグイ引っ張る展開力のある犯罪ミステリーで、少年犯罪などを深掘りした社会派小説をお探しの方におすすめします。
【SF】中学生におすすめの小説ランキング3選
【3位】カラフル
| 作者 | 森 絵都 |
|---|---|
| 発売日 | 1998年7月 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| ページ数 | 259ページ |
| 映画公開日 | アニメ：2010年8月21日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(4.0)
感動
(4.5)
社会性
(4.5)
ポイント
- 自殺した中学生・小林真の身体にホームステイして死んだ自分の罪を償うという大筋がとても面白い
- 死後に天使の命令に従って再生するというSF設定ながら真の人生を通じてリアルなドラマが描かれている
- 人が分かり合うには時間がかかるというコミュニケーションの大切さが主題であり感動的なラストも好評
気になるポイント
- 家庭や学校で問題を抱えた学生の生々しいリアルな展開はどうも苦手だと言う人には不向き
こんな人におすすめ
アニメ映画の原作で、面白いSFファンタジーと中学生のリアルな人間ドラマがうまく融合した小説をお探しの方におすすめします。
【2位】図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1)
| 作者 | 有川 浩 |
|---|---|
| 発売日 | 2006年2月10日 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| ページ数 | 398ページ |
| 映画公開日 | アニメ：2013年4月27日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(4.5)
社会性
(5.0)
ポイント
- 原作は全4巻のシリーズ化に加え漫画やアニメ映画にもなった人気作でもう1つの現実を描くパラレルワールドもの
- 表現の自由を奪う「メディア良化法」を掲げた権力に対し図書隊が自衛の戦いを挑むスペクタクルが面白い
- 男勝りのヒロイン・郁（いく）と鬼教官・堂上の掛け合いが好評で2人のラブ展開も大きな見所
気になるポイント
- SFファンタジーでも現実的に見ておかしな設定があったら気になってしまうという人にはやや不向き
こんな人におすすめ
メディアミックスされた人気SFで、今にも通じる社会問題を主題にスペクタクルな戦いと恋愛が描かれた小説をお探しの方におすすめします。
【1位】僕が愛したすべての君へ
| 作者 | 乙野四方字 |
|---|---|
| 発売日 | 2016年6月23 |
| 出版社 | 早川書房 |
| ページ数 | 253ページ |
| 映画公開日 | アニメ：2022年10月7日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(5.0)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(4.5)
社会性
(4.5)
ポイント
- パラレルワールドが現実になった世界で意識だけが別世界の自分と入れ替わることができるなど設定が面白い
- 今ある現実をパラレルワールドの1つとして捉えることで世界の見方が変わる文学性がありラブストーリーとしても秀逸
- 「君を愛したひとりの僕へ」とのセット本で主人公が離婚した両親のどちらにつくかに違いがあり二重に楽しめる
気になるポイント
- 虚質空間やIPなど覚えておくべきSF世界の独自設定が多いので読み込むのはやや難しい
こんな人におすすめ
アニメ映画化もされた人気作で、パラレルワールドを行きかうなどユニークな設定と共に恋愛も丁寧に描かれた小説をお探しの方におすすめします。
【その他・王道からちょっと外れた隠れ名作】中学生におすすめの小説ランキング3選
【3位】風の歌を聴け
| 作者 | 村上春樹 |
|---|---|
| 発売日 | 1979年7月23日 |
| 出版社 | 講談社 |
| ページ数 | 128ページ |
| 映画公開日 | 1981年12月19日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(4.5)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.0)
社会性
(4.0)
ポイント
- 村上春樹のデビュー作で40年以上前の作品ながらページ数が少なく短い章仕立てで文体も非常に読みやすい
- 帰省した大学生のひと夏の恋と友情の物語が乾いたリアリズムとユーモアたっぷりに描かれていて面白い
- 友人の鼠（ねずみ）や主人公のセリフはクールかつ人生への洞察に満ちていて大人になっても読める本
気になるポイント
- 2～3ページのチャプター構成は読みやすい反面、実験的な断片構造になっているため読みにくさもあり
こんな人におすすめ
サクサク読める文章でも1つ1つに深い味わいがあり、友情や恋愛が等身大でクールに描写された小説をお探しの方におすすめします。
【2位】バトル・ロワイアル 新書 –
| 作者 | 高見 広春 |
|---|---|
| 発売日 | 1999年4月1日 |
| 出版社 | 幻冬舎 |
| ページ数 | 666ページ |
| 映画公開日 | 2000年12月6日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(5.0)
エンタメ性
(5.0)
恋愛・友情
(4.5)
感動
(4.0)
社会性
(5.0)
ポイント
- 架空の全体主義国家で中学3年生が殺し合いを強要される極限状況からの脱出エンターテイメント
- 命がけのサバイバルを通じて生徒1人1人の心理描写やユーモラスな面が豊かに描かれていて面白い
- 映画版とは異なり殺し合いを国家統制の手段として利用する権力の闇が描かれるなど社会性も高い
気になるポイント
- 暴力的な描写や理不尽でシビアな展開がどうも苦手だと言う人にはやや不向き
こんな人におすすめ
生きるか死ぬかの極限状況に置かれた中で中学生たちの本音が描かれ、痛烈な社会批判も備えた小説をお探しの方におすすめします。
【1位】かもめのジョナサン
| 作者 | リチャード・バック |
|---|---|
| 発売日 | アメリカ：1970年/日本：1973年 |
| 出版社 | 新潮社 |
| ページ数 | 160ページ |
| 映画公開日 | アメリカ：1973年10月18日 |
評価・レビュー
読みやすさ
(4.5)
エンタメ性
(4.0)
恋愛・友情
(5.0)
感動
(5.0)
社会性
(5.0)
ポイント
- 絵本のように擬人化されたカモメの成長物語で4000万部を売り上げた世界的な人気ロングセラー小説
- 群れることを拒み飛ぶことそのものに情熱を燃やすジョナサンの孤独な姿は青春時代を送る学生にも通じる
- 40年以上ぶりに追加された第4部によって精神性を求めて気高く生きるテーマがいっそう際立ち感動を生む
気になるポイント
- シンプルで読みやすい文体でありながら所々に哲学的なメッセージがあるのである程度の読解力が必要
こんな人におすすめ
アニメのようなユニークな設定で、この世界や人のあり方そのものについて深く考えさせられる小説をお探しの方におすすめします。
それでも迷ったときの小説の選び方
小説の選び方を以下の3つのポイントから解説します。
- 好きなジャンルから選ぶ
- 全体のボリュームで選ぶ
- SNSなどで本の口コミを参考にする
好きなジャンルから選ぶ
小説を選ぶときは、自分の好きなジャンルから選ぶことが最も基本的なことです。小説には、サスペンス・ミステリー・青春・恋愛・友情・SFなど、さまざまなジャンルがあります。
小説を選ぶなら、自分が物語の主人公に共感ができる、あるいは自分自身を主人公になりきれるものが良いでしょう。
小説の中で直接的には描かれていない、隠されたメッセージを見つけるのも楽しみの一つです。
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全体のボリュームで選ぶ
全体のボリューム感もチェックしたいポイントです。長編小説に挑戦をして、途中で挫折したという話も珍しくはありません。
最初はボリューム感の小さい短編小説を選んでも良いでしょう。また、短編小説を集めた短編集も人気です。
夏休みや冬休みなど、読書の時間を取れるなら長編小説に挑戦するのも良いですね。短時間で読破するのではなく、じっくりと時間をかけて読み進められるのが長編小説の魅力です。
SNSなどで本の口コミを参考にする
小説を選ぶときにどうしても迷ってしまう、という人はSNSなどで口コミを参考にすると良いでしょう。
特に同年代からの口コミは、共感できる部分も多いので参考になります。
ストーリー性や世界観などたくさんの評価を参考にして、自分にとって魅力的な展開かどうかをチェックしてみましょう。
世代によって感想が変わるので、同世代の口コミを参考にするというのがポイントです。
読書が苦手という人にはコレ！
読むことに苦手意識がある人や読書が好きになりたい人、朝読書なんかには短編小説がおすすめです。
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この記事を書いたライターからのコメント
今回この記事を書くに当たって、中学生をメインキャラにした名作小説が数多くあることに結構ビックリさせられました。
それはきっと思春期を送る若者たちが、この世界のあるがままを最も鮮明に映し出すこころを持っているからではないでしょうか。
大人たちのウソやごまかしの通じない真実がそこにはあり、多くの読者はそこに魅了され大人になっても学園小説を読み続けるのでしょう。
村上春樹は50歳を過ぎて中学生が主人公の物語を書きましたが、アーティストとはずっと思春期に留まっているような人だと思えます。
※小説紹介の部分を執筆しました。
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