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そんな方はとりあえず売上ランキングの上位作や話題の新作映画の原作やネットの人気投票の常連作などを選ぶとよいでしょう。
東野圭吾作品には「加賀恭一郎シリーズ」など多くの人気シリーズがあり、物語・舞台設定・事件が多様で決して飽きさせません。
初心者から推理ミステリーのファンまで100冊を超える東野作品の中で何を読めばいいのか分からない方はどうぞご参考にしてください。
この記事を書いたライター:ツバキ
2009年に宙目(ユマ)ケンというペンネームで幻冬舎主催の『パピルス新人賞』を受賞し、翌年『カミナリラヴァー』(幻冬舎)で小説家デビューしました。
以降はキンドル出版のKDPやカクヨム・noteなどの投稿サイトで小説を発表しながら、コツコツとマイペースで書き続けております!(^^)!。
とにかく読んでほしいミステリー小説おすすめランキング21選【2023最新】
東野圭吾の作品の選び方
東野圭吾の作品の選び方を以下の3つのポイントから解説します。
- 初心者は売上ランキングを重視しよう
- 好きな映画の原作ミステリーを読もう
- 舞台や物語の好みから選ぼう
初心者は売上ランキングを重視しよう
小説を読み慣れていない初心者の方は、まず東野圭吾の売上ランキングを参考にして作品選びをすると良いでしょう。
今回ここで最も売れた小説として紹介した「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はミステリーとして分かりやすく泣ける感動ドラマとしても評価が高いです。
売上ランキング上位に加え、東野作品の最高傑作としても名高い「容疑者Xの献身」なども読みやすい本格ミステリーとして知られています。
好きな映画の原作ミステリーを読もう
小説を読み慣れていない初心者へのもう一つのアドバイスとして、好きになった映画の原作から東野圭吾作品を読むことをおすすめします。
東野圭吾原作の大ヒット映画は数多くあり、それを観た上で原作小説を読むと大筋を理解しているぶん読解力があまり必要ありません。
ストーリーやテーマの全体像を知っていればセリフだけの飛ばし読みや映画にはない描写を楽しむこともできるので、初心者にはぴったりです。
舞台や物語の好みから選ぼう
ドラマ性を重視したい方は、自分好みの舞台や物語などの設定から東野作品を選ぶことをおすすめします。
ミステリーの中でも舞台設定が生きるのはクローズドサークルもので、湖畔の別荘や学校の部室や雪山のペンションなど多種多様。
物語は家族愛などヒューマンドラマの他にも少年犯罪や延命治療を扱った社会派まであり、東野作品には多くの選択肢があります。
【発行部数】東野圭吾のいちばん売れた作品は?
ナミヤ雑貨店の奇蹟
発売日 | 2012年3月28日 |
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ページ数 | 413ページ |
ジャンル | ミステリー・ファンタジー |
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のあらすじ・評価
時空を超えて交わされる悩み相談
著作100作の累計発行部数が1億を超える東野圭吾の小説の中でも、いちばん売れたのが世界1500万部発行の本作です。
警察から逃亡中の3人組が入った廃屋「ナミヤ雑貨店」で、投函される悩みの手紙に返信するうちに不思議なできごとが起こるというのが大筋。
感動ドラマとして評価される作品ですが、時空を超えて不思議に絡み合う群像劇という点でファンタジー・ミステリーの魅力もあります。
【新作】東野圭吾のおすすめ作品2選
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人
発売日 | 2020年11月30日 |
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ページ数 | 520ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」のあらすじ・評価
東野圭吾の2020年代「新シリーズ」開幕
2023年に文庫が発売されるやAmazonなど売上ランキング最上位に入り、2024年に次回作の発売も予告された話題作です。
父の殺害を受けて帰京した真世と叔父の武史がタッグを組み、警察抜きで殺害の真相を探るという話で二転三転する展開が好評。
元マジシャンの武史による心理学を介した事件へのアプローチや、黒魔術師がコロナの不安な時代に現れるという設定にもひきこまれます。
あなたが誰かを殺した
発売日 | 2023年9月21日 |
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ページ数 | 312ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
「あなたが誰かを殺した」のあらすじ・評価
「加賀恭一郎シリーズ」の新たな幕開け・2023最新作
閑静な別荘地で起こった連続殺人事件に長期休暇中の刑事・加賀恭一郎が探偵役として加わる話で、大どんでん返しが好評です。
早い段階で犯人が分かった上で共犯者や事件の深層を追求してゆく“倒叙(とうじょ)展開”も魅力的で本格ミステリーとして楽しめます。
またシリーズに一貫した加賀恭一郎の人としての魅力も光っていて、ヒューマンドラマの味わいもあるとの口コミも多いです。
【初心者向け】東野圭吾のおすすめ作品6選
放課後
発売日 | 1985年9月 |
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ページ数 | 353ページ |
ジャンル | 青春ドラマ・ミステリー・推理 |
「放課後」のあらすじ・評価
命を狙われた女子高の教師
「江戸川乱歩賞」を受賞した東野圭吾の記念すべきデビュー作で、女子高で次々と起こる殺人事件を解明する推理ミステリーです。
アーチェリー部顧問の前島は学校で連続殺人が起こる中、彼らが自分の身代わりに殺されているのではないかと不安に陥ります。
推理の定番「密室トリック」の謎があったり、ユニークなキャラの女子高生が登場したりする点でも魅力的です。
卒業
発売日 | 1986年5月20日 |
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ページ数 | 372ページ |
ジャンル | ミステリー・推理・ヒューマンドラマ・SF |
「卒業」のあらすじ・評価
大人気「加賀恭一郎シリーズ」第一弾
洞察力溢れる推理眼と人情味あふれるキャラで人気の加賀恭一郎のシリーズ第1作目で、彼がまだ大学生だったころの話です。
女子大生が自室で謎の死を遂げたことで仲の良かった加賀恭一郎など6人の大学生が彼女の日記を元にミステリーに挑むというのが大筋。
茶道というミステリーにはあまりない舞台を描いたり密室トリックが説得力ある形で収まったりする点で評価されています。
探偵ガリレオ
発売日 | 1998年5月30日 |
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ページ数 | 330ページ |
ジャンル | ミステリー・推理・ヒューマンドラマ |
「探偵ガリレオ」のあらすじ・評価
大人気「ガリレオシリーズ」の第一弾
シリーズ累計1500万部「ガリレオシリーズ」の記念すべき第一作で、刑事の草薙と物理学者の湯川が難事件に挑む5編の短編集。
一章「燃える」では不思議な発火現象、二章「転写る(うつる)」ではアルミ製のデスマスクが死体のそばにあるなど面白いアイデアが盛りだくさん。
第一作目から天才物理学者による科学的なアプローチと共に人間ドラマも生きていて、期待通りの秀作になっています。
仮面山荘殺人事件
発売日 | 1995年3月7日 |
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ページ数 | 294ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
- 男女8人、密室殺人
- 謎解きミステリー
- ミステリーの入門小説
仮面山荘殺人事件のレビューと評価
犯人は監禁された8人の中にいる
東野圭吾の入門小説であるばかりか、小説を初めて読む人にもサクサク楽しんで読める作品だと言えます。
フィアンセを事故で失った男が、8人の知人友人と別荘で彼女を慰める会を開きます。そこに逃亡中の銀行強盗が押し入り殺人事件が起こります。が、犯人は8人の中の誰かだということが分かります。
一体誰が何の目的で、悲劇の主人公にさらなる追い討ちをかけるのか。『仮面山荘殺人事件』にはまれば、きっと他の東野作品はもちろん他のミステリー小説にも手を出すようになるでしょう。
魔球
発売日 | 1991年6月4日 |
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ページ数 | 326ページ |
ジャンル | 青春ミステリー |
- 高校野球
- 高校球児の殺人事件
- 学園ミステリー
魔球のレビューと評価
さわやかな春のセンバツ高校野球の裏側で起こった殺人事件
高校野球を描いた学園推理ミステリーなので、中高生の読者にはピッタリな作品です。東野圭吾がデビュー後まもなく30歳のときに書いた青春小説で、サクっと読めて謎もスッキリと分かる作風になっています。
春のセンバツ高校野球で、魔球を操るエースの捕手を務めていた男が大会後に愛犬と共に殺されます。さわやか極まりない高校野球の世界での殺人というだけで目を引きます。真相は学園内に止まらず、社会の闇にも絡んでおり、大人も楽しめる作品だと言えます。
宿命
発売日 | 1993年7月6日 |
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ページ数 | 378ページ |
ジャンル | ミステリー・推理・ヒューマンドラマ |
- 宿命のライバル
- 元カノが同級生の妻に
- 男女の三角関係
宿命のレビューと評価
宿命のライバルと一人の女を巡る嫉妬と愛情の物語
刑事の元カノが刑事の同級生の妻になったというのがこの話の軸になります。同級生は大企業の跡継ぎであり、その社内で次期社長候補の殺人事件が起こります。
そのため、事件に当たる刑事は嫉妬から同級生の犯行を疑い、元カノは再び現れた刑事に惹かれてゆきます。推理ものですが、1人の恵まれた男を通じて2人の男女の心の揺れ動きを描いた人間ドラマでもあります。
【映画化】東野圭吾のおすすめ作品6選
レイクサイド
発売日 | 2002年3月17日 |
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ページ数 | 278ページ |
ジャンル | ミステリー・推理・ヒューマンドラマ |
「レイクサイド」のあらすじ・評価
4組の家族ぐるみで隠ぺいする殺人
「レイクサイド マーダーケース」として2005年に鬼才・青山真治監督によって映画化された湖畔の別荘を舞台にしたクローズドサークル・ミステリー。
4組の家族と塾講師の10人が中学受験の合宿のため夏の別荘に訪れ、遅れて合流した主人公の愛人が殺されたことで事態が動きます。
中盤までに犯人が分かる“倒叙ミステリー”をさらにひねった展開が好評で、家族愛のヒューマンドラマとしても読めます。
祈りの幕が下りる時
発売日 | 2013年9月13日 |
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ページ数 | 448ページ |
ジャンル | ミステリー・サスペンス・ヒューマンドラマ |
「祈りの幕が下りる時」のあらすじ・評価
「加賀恭一郎シリーズ」最終巻で最大の謎が解明
主演・阿部寛で2018年に劇場公開された初版20万部の人気作品で、シリーズ最大の謎である加賀の母についての真相が明かされます。
アパートで発見された女性の不審死をきっかけに、失踪後に孤独死した加賀の母・田島百合子の秘められた過去が判明するのがポイント。
12の日本橋の橋の名前が書かれたカレンダーがヒントとなり2つの事件がつながる展開がみごとで、感動を誘う親子愛も好評です。
プラチナデータ
発売日 | 2010年6月30日 |
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ページ数 | 406ページ |
ジャンル | ミステリー・サスペンス・SF |
「プラチナデータ」のあらすじ・評価
テクノロジー捜査の皮肉な落とし穴
東野圭吾が執筆後20社からオファーされた後に映画化された話題作で、当局がDNA捜査システムによって犯罪検挙を行う近未来SFです。
システムの生みの親である兄妹が殺害された後、DNAデータによって捜査を行っていた主人公の刑事が犯人と特定されます。
追う者が追われる者になる中で刑事の二重人格の謎が絡まり合い、SFサスペンス・ミステリーはスリリングに展開していきます。
パラレルワールド・ラブストーリー
- 記憶ミステリー
- 三角関係の男女
- 過去の闇
パラレルワールド・ラブストーリーのレビューと評価
あこがれの女は俺の彼女か、親友の恋人か?
好きだった異性が親友の恋人になったりすると、誰でもうらやましがるものです。『パラレルワールド・ラブストーリー』は、その嫉妬を起点にしており、とても入りやすい物語です。
ある日、目覚めると親友の恋人が自分の彼女になっているということが起こります。スペインの映画『オープンユアアイズ』では、1人の男の彼女が2人の別人になるという展開がありました。
それと同じく、この東野作品でもあいまいな記憶のミスリードが混乱をもたらすことになります。
容疑者Xの献身
- 直木賞受賞作
- ガリレオ・シリーズ代表作
- ライバル対決
容疑者Xの献身のレビューと評価
理系最高の知性がぶつかり合う珠玉の犯罪ミステリー
『容疑者Xの献身』は東野作品の中でも1,2を争う傑作として世に広く知られています。物理学者、湯川学が活躍するガリレオ・シリーズの代表作であり、直木賞受賞作としても名高い作品です。
高校の数学教師、石神は情愛を寄せる母娘に代わって完全犯罪を仕組み、大学の同期で捜査一課からガリレオと呼ばれる湯川がそれに挑みます。理系の天才がぶつかり合い、そして決着するさまはとても爽快です。
推理の手がかりがないことから、本格ミステリーではないとの論争を巻き起こした問題作としても知られています。
マスカレード・ホテル
- 映画化作品
- 潜入捜査もの
- 犯人は高級ホテルにいる
マスカレード・ホテルのレビューと評価
刑事がホテルに潜入捜査で、美人スタッフから熱烈指導
キムタク主演で映画化された作品でもあり、原作も合わせて読むとより楽しめるはずです。本作『マスカレード・ホテル』は刑事、新田浩介を主役にした東野圭吾のマスカレード・シリーズの第1作目でもあります。
高級ホテルを舞台にして、潜入捜査した新田がそこで起こりうる殺人を食い止めるという筋です。美人スタッフとのやり取りも面白く、多くは富裕な宿泊客の素顔を暴いてゆく展開にも目を引かれます。
【ミステリー】東野圭吾のおすすめ作品6選
悪意
発売日 | 1996年9月 |
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ページ数 | 376ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
「悪意」のあらすじ・評価
東野圭吾“ホワイダニット”の名作
東野圭吾作品の中でも犯人ではなく真相の推理に焦点が置かれた“ホワイダニット(なぜ起こったのか)”ものとして名高い作品です。
東野作品でお馴染みの刑事・加賀恭一郎が、仕事場で殺害された人気作家の身辺を調べるうちに思わぬ真実を知るというのが大筋。
人気作家が殺されたり児童小説家がこの事件に関する手記を書いたりするなど、通好みのメタ小説的な面白さも味わえます。
新参者
発売日 | 2009年9月18日 |
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ページ数 | 416ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
「新参者」のあらすじ・評価
人情下町で難事件に挑む新参者
2010年の「このミステリーがすごい」1位作品となった人気作で、日本橋署に配属されたばかりの新参者・加賀恭一郎の話です。
9章から成る連作短編集で、絞殺された一人暮らしの女性の事件の真相が短編全体で浮かび上がってくる構成になっています。
日本橋という下町情緒あふれる舞台で加賀恭一郎が人情味あふれるストーリーを紡ぎ出す点でも多くの読者から好評です。
ある閉ざされた雪の山荘で
発売日 | 1992年3月 |
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ページ数 | 306ページ |
ジャンル | ミステリー・推理 |
「ある閉ざされた雪の山荘で」のあらすじ・評価
この密室殺人は舞台か本物か!?
東野圭吾作品の中でもクローズドサークルに演劇要素を組み合わせた“虚実混交”の実験的なミステリーと言えるでしょう。
ペンションに集められた7人の男女が演出家による「吹雪の山荘」という舞台設定で芝居を始める中、メンバーの失踪が相次ぎます。
これは演出家による芝居かそれとも実際の失踪事件なのか、虚実が入り混じる展開に最後まで目が離せません。
虚ろな十字架
- 死刑反対論
- 家族の二重の悲劇
- 社会派ミステリー
虚ろな十字架のレビューと評価
死刑の賛否を問う二重の悲劇
『虚ろな十字架』は特に若い読者には重い問いかけをする小説です。死刑制度に賛成か反対かを迫るストーリーであり、理想としては廃止、被害者遺族の立場からは存続という矛盾を描いています。
人権や人の命というのは人生の根本的な価値であり、10代のうちにそれを深く考えることは極めて有意義なことであるはずです。魅力的なミステリーと共に精神的な成長をもたらしてくれる作品です。
変身
- 脳の移植手術
- 別人になってゆく謎
- 自分を失いかける恐怖
変身のレビューと評価
頭の中にいる他人に自分を乗っ取られる恐怖
ピストルで頭を撃ちぬかれた男が一命を取りとめ、世界初の脳移植手術を受ける男の話です。
彼は元々おとなしい性格だったが、術後にどんどん粗暴になってゆきます。そして最後には秘められた手術の目的が明らかになります。
自分の中にいる他人に振り回されるというのは、カっとなったり、お酒を飲んだりしただけでも起こりうることです。『変身』は、それがいかに怖いものであるかを突きつける作品です。
沈黙のパレード
- ガリレオ・シリーズ最新作
- 帰ってきた湯川学
- 釈放された殺人容疑者
沈黙のパレードのレビューと評価
完全犯罪を突き崩すガリレオふたたび
東野圭吾、最高の人気シリーズ、ガリレオ・シリーズの最新作が本作『沈黙のパレード』です。アメリカに渡った湯川学が、まさかの日本帰国でシリーズが復活します。
少女の殺人事件で無罪となった男が、再び少女殺人で容疑をかけられるが、また無罪釈放になるという話です。そんな男が謎の変死を遂げたことで、事態はさらに複雑に。
無罪になった殺人者へのリベンジ殺人か、あるいは過去2件の少女殺人の真犯人の仕業なのか、物語の結末から目が離せません。
【感動・泣ける】東野圭吾のおすすめ作品8選
人魚の眠る家
発売日 | 2015年11月20日 |
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ページ数 | 469ページ |
ジャンル | ミステリー・サスペンス・ヒューマンドラマ |
「人魚の眠る家」のあらすじ・評価
暴走する母性愛
映画版も話題になった東野圭吾デビュー30周年目となる作品で、人の脳死を題材にしたミステリー・ヒューマンドラマです。
幼い娘がプールの水難事故によって脳死状態になったことで、離婚間近だった夫婦が我が子の生死の選択を迫られるというのが大筋。
最先端医療のおかげで眠り続けながらも成長するようになった娘に対し、母親の愛と狂気が交錯するさまが読者を引き込みます。
希望の糸
発売日 | 2019年7月5日 |
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ページ数 | 400ページ |
ジャンル | ミステリー・推理・ヒューマンドラマ・SF |
「希望の糸」のあらすじ・評価
多様な家族を通したヒューマンドラマ
「加賀恭一郎シリーズ」の若き刑事・松宮が主役のスピンオフ的な位置づけながら、泣ける感動作として人気を集める作品。
閑静な住宅地で喫茶店を営む女性店主が殺害されたことで、震災で子供を亡くした男など多様な家族の思惑が絡み合っていきます。
犯人解明より動機が重視されるホワイダニット・スタイルの中、家族が紡いでゆく糸がみごとに描かれています。
真夏の方程式
発売日 | 2011年6月6日 |
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ページ数 | 463ページ |
ジャンル | ミステリー・ヒューマンドラマ |
「真夏の方程式」のあらすじ・評価
博士と少年の哀しい海辺の物語
福山雅治主演「ガリレオ・シリーズ」の映画化・第2作で、2013年の日本の実写映画で累計興収1位になった大人気作です。
ガリレオこと物理学者の湯川博士は、仕事に向かう途中の電車で居合わせた小学4年生の少年と仲良くなり海の旅館で過ごすことになります。
殺人事件を追う内に湯川と少年に不思議な愛情が芽生えるのが魅力的で、少年に「1人ではない」と伝える湯川の言葉も大好評。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
- 時空を超えるファンタジー
- 感動の人間ドラマ
- お悩み相談
ナミヤ雑貨店の奇蹟のレビューと評価
お悩み相談は、時空を超えて奇跡になる
感動ドラマもまた、東野圭吾の大得意のジャンルだと言えます。特に映画化で話題にもなったこの『ナミヤ雑貨店』は、東野作品の中でも最も泣ける話として有名です。読書初心者にも、スっと入ってゆけるでしょう。
人生に完全に行き詰った3人が逃げ込んだ空き家の雑貨店は、30年のときをへてタイムスリップするお悩み相談が舞い込む場所だった。一見、シュールですが、リアルな設定があるため感情移入しやすいです。
映画を観たあとに読めば、いっそう味わい深いものになるはずです。
秘密
- 突然の家族の不幸
- 体が入れ替わる母娘
- 女子高生ファンタジー
秘密のレビューと評価
妻に再び訪れたセーラー服の青春
映画『君の名は。』では、高校生の男女の心が入れ替わりましたが、この『秘密』でも母娘の心が入れ替わります。一方が死んでいるという点でも設定が似ており、イマドキの学生さんでも『秘密』の世界観には入って行きやすいのではないでしょうか。
『秘密』というタイトル通り、この入れ替わりにはある理由があり、最終盤にそれが明かされたとき、何ともいえない幸福感を味わえます。広末涼子がヒロインになった映画版も傑作でした。
手紙
- 殺人犯の兄と弟
- 犯罪者家族への差別
- 刑務所と世間の対比
手紙のレビューと評価
殺人犯の刑務所暮らしと、その弟の人生
この『手紙』もまた殺人犯に関わるドラマです。世に差別は数あれど、凶悪犯罪者の家族への差別とは最も残酷なものではないでしょうか。『手紙』は、その差別に真っ向から切り込んでゆく作品です。
タイトルの手紙は、刑務所にいる強盗殺人犯の兄から弟に当てられたものです。事件後の2人の兄弟の人生の皮肉な明暗、幸福と不幸の対比が差別の大きさを物語ります。
流星の絆
- 孤児になった3兄妹
- 兄妹サギ師
- 殺された両親の仇討ち
流星の絆のレビューと評価
小学生の3兄妹が、両親を惨殺されるという衝撃的な展開から始まる話です。しかし、その後、彼らがサギ師グループになることからも、全体的には娯楽性あふれる筋になっています。
幼少期を孤児として過ごした3兄妹は、その過酷な境遇から「だまされるより、だます」という哲学を持ちます。しかし、そこに恋心という大いなる邪魔が入り、こんがらがってゆきます。
リベンジというものの正当性についても考えさせる作品です。
白夜行
- 東野圭吾の最高傑作
- 2人の男女の19年に渡る物語
- 迷宮入りした殺人事件
白夜行のレビューと評価
殺人事件の被害者と容疑者の子どもたち、それぞれの人生
『白夜行』は文庫本で860ページにもなる大長編であり、読書慣れしていない若い読者には向いていないでしょう。しかし、東野圭吾の作品を好きになった人には、いつか挑戦してほしい傑作です。
超一級のミステリーでありながら、迷宮入りの殺人事件に関わる男女2人の人間ドラマでもあります。2人の心理描写を一切排したスタイルでありながら、奥深い精神性がテーマとして浮かび上がってきます。
東野圭吾の最高傑作として、長く語り継がれている作品です。
【その他】東野圭吾のおすすめ作品2選
さまよう刃
発売日 | 2004年12月 |
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ページ数 | 499ページ |
ジャンル | ミステリー・犯罪サスペンス |
「さまよう刃」のあらすじ・評価
少年法に守られた凶悪殺人犯
日韓両国で映画化もされた東野圭吾“最大の問題作”とも呼ばれる異例の作品で、ミステリーと共に少年犯罪を真正面から扱っています。
シングルファーザーの主人公が不良少年グループの強姦殺害で娘を失った後、復讐の鬼となり警察を味方につける少年に迫ってゆくのが大筋。
重罪でも成人に較べて大幅に減刑される「少年法」の是非を問う社会派作品で、読後も大きな余韻を残します。
時生(トキオ)
- 不知の病で死にゆく息子
- タイムスリップ
- 家族の泣ける感動作
時生(トキオ)のレビューと評価
瀕死の青年がタイムスリップ親孝行!
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも似た、タイムスリップで家族の過去をより良く書き換えるというお話です。
『時生』が面白いのは、不知の病に倒れた瀕死の息子が、過去に戻って若い頃の父や母にいろいろと尽くす点にあります。
青春時代に死ぬ宿命の時生が、親のために頑張るという矛盾は、少年の中の無償の愛を引き立てます。泣ける感動作としては、東野圭吾作品の中でも1,2を争うものではないでしょうか。
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3 レビュー
映画を観てから小説も購入して読みました。
物語は様々な登場人物にスポットを当てられ進んでいきますが、ストーリーのキーマンである雪穂の人物像は一貫しているので読み進めやすいです。
犯人は誰なのかということだけでなく、「白夜行」というタイトルの意味を考えることもこの小説の楽しみ方だと思ったので、ミステリーというジャンルに慣れていない方にもオススメできる1冊です。
定番ですが堀北真希さん主演の映画から入って世界観に引き込まれ、どうしても原作を読みたいと手に取った作品です。
とある男女の数奇な人生と他人には到底理解できないであろう2人の中でだけ美しく完成された愛の形、それらに巻き込まれ、翻弄される周囲の狼狽まで、もちろんですが映画よりも一人一人により詳細にスポットが当たっていて、誰の様子も見逃してはいけない気がして頭も心もいっぱいのまま読み進める手は止まらない作品でした。
長編なのでハードルが高いと思いきやあっというまに衝撃のラストを迎え、読了後は切なさで胸がいっぱいに…。
怪しい登場人物が多数出てきて、一体誰が犯人なのか最後の最後まで分からない展開が面白かったです。ホテルの仕事の裏側も詳細に描かれていて、舞台になっているホテルに行きたくなりした。相反するように見えた新田と山岸のコンビネーションも最高でした。
東野圭吾はどんな人?
東野圭吾とは
東野圭吾とは1958年・大阪府生まれ、大阪府立大学を経てエンジニアになった後、27歳で江戸川乱歩省を受賞して作家デビューします。
約13年の不遇の時代を経て映画化された1998年「秘密」の大ブレークをきっかけに、現在に至るまで大ヒット作を量産中。
2023年現在、著作は100作、全世界の推定・累計販売数は1億6800万部を超え、日本を代表する作家の1人になりました。
参考
東野圭吾、著作100冊。国内累計発行部数1億部突破! | 株式会社文藝春秋のプレスリリースPR TIMES|プレスリリース・ニュースリリースNo.1配信サービス
東野圭吾はどんな人?
東野圭吾とは著書「あの頃ぼくらはアホでした」にもあるよう、漫画さえ読まないほど活字から縁遠い青少年期を送った珍しい作家です。
大学も就職先も理系であり、作家の王道からはみ出したその経歴が、彼の小説における抜群の読みやすさにつながっていると言えます。
映画監督を目指していたことでも知られ、自身の小説の映画化の際に大幅な脚色を許しているのもまた映画愛ゆえではないでしょうか。
東野圭吾の小説はどんな作品が多い?
東野圭吾の小説は100作を超えるだけに多種多様にありますが、“推理ミステリー”はどの作品にも一貫してあるものだと言えます。
初期はデビュー作の「放課後」のように王道推理ものが多かったものの、以降は真犯人より犯行動機を重視するホワイダニット系にシフト。
松本清張を敬愛していることから考えさせる社会派ミステリーや泣けるヒューマンドラマ、またジャンルを超えた実験的作風の作品も人気です。
東野圭吾の小説にはどんなシリーズがある?
東野圭吾の小説には数多くの人気シリーズがありますが、中でも「加賀恭一郎」「ガリレオ」「マスカレード」シリーズが代表格です。
加賀恭一郎は人間臭いドラマが好きな方に、ガリレオは科学的捜査に興味がある方、マスカレードは壮大なスケールの物語が好きな方に最適。
最新シリーズとしては2020年から始まる「ブラック・ショーマンシリーズ」があり、犯罪にまつわる人の深層心理にひかれる方におすすめします。
東野圭吾の重要ポイントまとめ
東野圭吾の重要なポイントは以下の3つです。
- 東野圭吾の多くのミステリーは初心者にも読みやすく楽しめるものです
- 東野圭吾の新作の多くは売上ランキングの上位に入るほど今も人気を集めています
- 東野圭吾の人気シリーズには映画化された作品も多く映画の後に原作を読む楽しみもある
この記事を書いたライターからのコメント
作家・東野圭吾に関して、私が最も驚く点は圧倒的に多作であることです。
2023年、作家デビュー40周年を前にして著作100作を超えたことから、ほぼ毎年2~3冊書き続けてきたことが分かります。
しかも「ガリレオ」などシリーズものを3つ4つ並行させ、その上で新シリーズや読み切りの作品も織り交ぜているのです。
それはまさに多次元パラレルワールドとでも言える世界であり、私の長い読書歴でもこれに類する作品群を持った作家は見当たりません。
読みやすい作品でミステリーを楽しみたい方や創造のインスピレーションを得たい方まで、東野圭吾は幅広い読者におすすめできる作家です。
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探偵ガリレオ (文春文庫) 東野圭吾
星5評価
私は長編小説を読むのが苦手で今まで避けていましたが大学の春休みに時間余っていたため読みやすいといわれているこの本を買いました。最初は毎日5ページづつぐらいのペースで読もうと軽い気持ちで読んでみたら気が付くと1日50ページ以上は読み進めていたてこともありました。それぐらい東野圭吾にハマるきっかけとなった貴重な一冊です。科学的根拠に基づいて次々と仕掛けを暴いていく湯川教授が大好きです。気になるのなら絶対読むべき!
白夜行 (集英社文庫) 東野圭吾
定番ですが堀北真希さん主演の映画から入って世界観に引き込まれ、どうしても原作を読みたいと手に取った作品です。
とある男女の数奇な人生と他人には到底理解できないであろう2人の中でだけ美しく完成された愛の形、それらに巻き込まれ、翻弄される周囲の狼狽まで、もちろんですが映画よりも一人一人により詳細にスポットが当たっていて、誰の様子も見逃してはいけない気がして頭も心もいっぱいのまま読み進める手は止まらない作品でした。
長編なのでハードルが高いと思いきやあっというまに衝撃のラストを迎え、読了後は切なさで胸がいっぱいに…。
マスカレード・ホテル
怪しい登場人物が多数出てきて、一体誰が犯人なのか最後の最後まで分からない展開が面白かったです。ホテルの仕事の裏側も詳細に描かれていて、舞台になっているホテルに行きたくなりした。相反するように見えた新田と山岸のコンビネーションも最高でした。