【迷ったらコレ!】伊坂幸太郎作品おすすめ人気ランキング12選!

【じっくり読むと5分】

伊坂幸太郎の小説が面白いのは、まず本に親しみのない人でもサクサク読み進められるからでしょう。さらに上質のミステリーで読者をひきつけたり、同一キャラで複数の作品をリンクさせたり、名言的なセリフをちりばめていたりと、その魅力を上げればきりがありません。ここでおすすめする12選は、そんな伊坂作品の中でも特にユニークで読み応えのある小説になります。どうか、しばらくおつき合いください。

伊坂幸太郎とは

伊坂幸太郎は1971年生まれ、千葉県出身の小説家です。宮城県在住のため、作品の舞台を仙台にすることが多々あります。

特筆すべきは、伊坂が在籍した東北大学の同期生にも、『パラサイト・イブ』で社会現象を起こした瀬名秀明や、芥川賞をとった鬼才の円城塔といった名作家がいることです。現実は小説より奇なりとも言いますが、本当に不思議な偶然です。

伊坂作品の最たる特徴はミステリーであり、何らかの目を引く謎で読者をラストまでぐいぐい引っ張ってゆきます。最も評価されるポイントは、伏線の回収能力です。どれほど混沌とした展開でも最後にはスッキリ1つにまとめてくれます。

同じキャラが違う作品にも登場してリンクさせ、1つの伊坂ワールドとしてつながりをもたせているのも特徴的な点です。また、多くの小説が複数の視点からなる客観体であり、作品を多面的に作り上げています。

サクサク読める作風なだけに、伊坂幸太郎は非常にハイペースで執筆する作家です。しかし、多作であると共に多様でもあります。

以下に紹介する『砂漠』『フーガはユーガ』『魔王』『チルドレン』『AX』などは、すべてまったく異なるジャンルとも言えるものです。では、さっそくユニークさを重視した12選を紹介してゆきます。

伊坂幸太郎作品おすすめランキング12選

1:オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈りのおすすめポイント3つ

  • 変人たちのファンタジー
  • 突然、別世界に
  • 閉鎖された不思議な島

オーデュボンの祈りのレビューと評価

強盗犯が、突然放り込まれたシュールな孤島

伊坂幸太郎の記念すべきデビュー作です。多くの作家にとってデビュー作は代表作であるばかりか最高傑作であることも多く、『オーデュボンの祈り』もその例外ではないでしょう。

強盗犯が気づけば変人ばかりの孤島にいるという牽引力のあるミステリー。気持ちよく回収される数多くの伏線。そして味わい深いセリフの数々。後の20年の伊坂作品のすべてを凝縮したようなデビュー作です。

また、未来を予想できるカカシが殺されるというパラドックスは、現実の底知れぬ深みを伝えるメタファーとして余韻を残し続けます。

オーデュボンの祈りはこんな人におすすめ!

リアルなファンタジーが大好きな人に

2:砂漠

砂漠のおすすめポイント3つ

  • ピュアな青春小説
  • ゆかいな大学生活
  • 日常の中の小さな奇跡

砂漠のレビューと評価

さめきった大学生の小さな奇跡を呼び込む青春ドラマ

おそらく伊坂作品の中でも最大の異色作と呼べるものが本作『砂漠』でしょう。何しろ一級のミステリー作家による作品であるにも関わらず、謎かけや大転換が一切ないのです。

ただ、さめた大学生を主人公にした青春ドラマであり純文学にも近いものになっています。東西南北と鳥の名がつく5人は、砂漠のような実社会に落ちる前に、あるかけがえのない奇跡のような瞬間を共にします。

井坂幸太郎のキャラ作りの上手さとセリフのセンスが最も際立った珠玉の作品です。

砂漠はこんな人におすすめ!

リアルな大学生活を味わってみたい人に

3:バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバードのおすすめポイント3つ

  • 女好きなプレイボーイ
  • 五人の彼女との修羅場
  • 変な女との懺悔旅行

バイバイ、ブラックバードのレビューと評価

とあるプレイボーイの女ガイドつき巡礼の旅

主人公は5人も彼女がいる大のプレイボーイで、あることをきっかけに風変わりな女を監視役に立てられて、それぞれに別れを告げに行くはめになります。

太宰治の未完の遺作『グッドバイ』に似た設定であり、伊坂幸太郎は彼なりにそれを完結させたかったのかも知れません。

とにかくこの設定だけで読みたくなります。監視役もふくむ6人の女たちは、どれもキャラ立ちしており、最後まで飽きさせることはありません。

バイバイ、ブラックバードはこんな人におすすめ!

もてる男の秘訣を知りたい人に

4:ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバーのおすすめポイント3つ

  • 首相の暗殺
  • 逃亡
  • 闇社会の陰謀

ゴールデンスランバーのレビューと評価

国を敵に回した濡れ衣男の逃亡劇

ゴールデンスランバーとは「素晴らしい眠り」を意味します。スリリングな逃亡劇を描く話とは大きく矛盾したタイトルであり、この点だけで大いに魅かれます。

濡れ衣、冤罪の中でも、首相暗殺の罪を着せられるほど大きなものはないでしょう。主人公はそんな悲運の元、日本国民全員を敵に回しながら逃げ続けます。500ページに渡る書き下ろし長編だが、最後まで一気読みさせる力があり、スッキリとした爽快感を与えてくれます。

ゴールデンスランバーはこんな人におすすめ!

突然の悲劇にどう対処すればいいのか、悩んでいる人に

5:終末のフール

終末のフールのおすすめポイント3つ

  • この世の終わり
  • 人類の余命3年
  • 人生の最後にどう過ごす

終末のフールのレビューと評価

地球滅亡まであと3年、あなたならどう過ごす?

小惑星による人類滅亡ものはベタな話ですが、3年の猶予があるというのが『終末のフール』のユニークなところ。『砂漠』と同じく、ミステリーを抜きにして人間ドラマが丁寧に描かれています。

読んでいる間、読者はあなたならどうするという問いをずっと投げかけられることでしょう。読む前と後とでは人生観を変える力のある小説です。決して希望を見失わない登場人物には、大いに元気づけられます。

終末のフールはこんな人におすすめ!

一度、人生を立ち止まって、考えてみたい人に

6:魔王

魔王のおすすめポイント3つ

  • 特殊能力を持つ人
  • 政治の腐敗に立ち向かう男
  • 熱い兄弟愛

魔王のレビューと評価

悪政から国民を救済するスーパー腹話術師

他人に自らが思ったことを言わせる腹話術のできる男が、政治の腐敗に立ち向かう話です。政治という酷な現実に超能力というファンタジーを加えることで、より根源的な現実を暴き出す、いわゆるマジック・リアリズムの手法を使った作品と言えます。

国政選挙に無関心な、いわゆるお任せ民主主義に慣れた人にとっては、目の覚めるような読後感をもたらしてくれるはずです。

魔王はこんな人におすすめ!

真実を言わない政治家にストレスを感じている人に

7:重力ピエロ

重力ピエロのおすすめポイント3つ

  • いまわしい過去
  • 連続放火事件
  • 再生の物語

重力ピエロのレビューと評価

時をこえて二重の悲劇に見舞われる家族の物語

まず『重力ピエロ』というタイトルのセンスが光り、目を引きます。重力とは作中の家族を悩ませる事件のメタファーであり、ピエロというのはそれに対する人の心のありようを意味します。

いまわしい過去から人は自由になれるのか。作品を通して訴えられるこのテーマは、多くの人の心に響くものでしょう。

「春が二回から落ちてきた」という冒頭句に表れているよう文芸性もある作品であり、謎解き以外の点でも光る部分が多々あります。

重力ピエロはこんな人におすすめ!

つらい過去から本当の意味で自由になりたい人に

8:フーガはユーガ

フーガはユーガのおすすめポイント3つ

  • 双子の兄弟愛
  • 家庭内虐待
  • ファンタジー

フーガはユーガのレビューと評価

フーガとユーガをつなぐ「アレ」が示す過酷な現実

『フーガはユーガ』に関する多くの紹介記事で「アレ」と呼ばれる大きな仕掛けが軸になっている話です。双子の兄弟は幼少期、父親から虐待を受けており、その中で「アレ」が起こります。

「アレ」は魔法とも言えることですが、虐待に対する双子の精神病理だとも取れるものです。そのため物語はファンタジーの枠にとどまるものではありません。幼児虐待という極めて重いテーマではあるが、ユーモアや人情もあふれていて、とてもバランスが取れています。

フーガはユーガはこんな人におすすめ!

どんなに重い過去からでも再生できると信じている人に

9:チルドレン

チルドレンのおすすめポイント3つ

  • 短編と長編の融合
  • キャラ立ちした男
  • まっとうな正義

チルドレンのレビューと評価

正しいものが正しい結果になったときの爽快感

『チルドレン』という連作短編小説は、陣内という男が引っ張っています。正義の人、熱い理想家を思い切り体現したような人であり、まっとうなことを無理やり貫こうとします。

ときには暴走気味にまわりの人たちを巻き込み、最後にある奇跡を引き起こします。悪いものが責任を取らず、正義が行き場を失ったような今、陣内の熱さは多くの人を魅了するはずです。

チルドレンはこんな人におすすめ!

正しいものは正しいと胸を張って言いたい人に

10:AX(アックス)

AX(アックス)のおすすめポイント3つ

  • 最強の殺し屋
  • 恐妻家
  • 殺しの代償

AX(アックス)のレビューと評価

殺しを止めるための殺しが巻き起こした一大事

『グラスホッパー』などに連なる殺し屋シリーズの最新作がこの『AX(アックス)』です。最強の殺し屋が、家庭では妻に頭が上がらない恐妻家だという最初のつかみが効いています。

物語全般にもユーモアがあり、シリアス一辺倒の犯罪ミステリーではありません。殺し屋家業でも気の入っていない、やっつけ仕事をしていれば、その分、ひどい目に遭うという筋はスっと入ってきます。殺し屋の話なのに、最後はほっこりさせられます。

AX(アックス)はこんな人におすすめ!

家族に言えない秘密を抱えた人に

11:陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回すのおすすめポイント3つ

  • 強盗の天才集団
  • 正義の犯罪
  • スリル満点の犯罪サスペンス

陽気なギャングが地球を回すのレビューと評価

天才的な強盗集団が犯した大きなミス

アニメ『ルパン三世』を思わせる、4人の天才的な個性派集団による強盗劇を描いた作品です。またルパン同様、彼らの盗みにも世直し的な正義感があり、読者の共感を呼びます。

4人の会話はハードボイルド小説のように簡潔かつクールであり、それだけでも楽しめます。映画化もされたほどハイテンポで進む非常に読みやすい作品です。

陽気なギャングが地球を回すはこんな人におすすめ!

ルパン三世が好きで、世直し犯罪に心魅かれる人に

12:アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジークのおすすめポイント3つ

  • モーツァルトの楽曲
  • 悲運の3人の物語
  • 斉藤和義とのコラボ小説

アイネクライネナハトムジークのレビューと評価

恋を信じた人たちのそれぞれの物語

■『アイネクライネナハトムジーク』とは、モーツァルトの楽曲で「ある小さな夜曲」を意味します。本作は恋愛がテーマになった6つの短編集ですが、その恋のありようがどれも、小さな夜曲のようにしっとりとした重みを持っています。

伊坂作品らしく短編集はリンクしていて、複数の視点で1つの世界を立体的に組み上げています。

本作を原作にした三浦春馬主演の映画が2020年9月に公開予定です。伊坂幸太郎の地元、仙台でのオールロケということもあり、とても楽しみです。

アイネクライネナハトムジークはこんな人におすすめ!

いつも、こころに誰かとの出会いを抱いていたい人に