天体望遠鏡のおすすめメーカー比較一覧&最強ランキング10選

プラネタリウムの望遠鏡

天体望遠鏡は宇宙の神秘に迫れる素敵なアイテムであり、肉眼やカメラレンズではまともに視認できない惑星・星雲を鮮明に映してくれます。

手持ち無沙汰になりがちな夜の余暇も、天体観測という趣味を持つことで至福のひとときに早変わりするでしょう。

とはいえ望遠鏡は決して安い買い物ではなく、製品ごとの違いが分からないうちはなかなか手が伸びないもの。

そこで当記事では天体望遠鏡のおすすめメーカーを、性能や使いやすさなど様々な観点から紹介します。


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天体望遠鏡のおすすめランキング10選

【10位】ビクセン セレストロン天体望遠鏡 NexStar 6SE SCT

鏡筒の種類‎カタディオプトリック式
口径150mm
レンズの倍率60倍
焦点距離(F値)1500mm(F10)
架台赤道儀
ファインダー光学式(スターポインターファインダー)
スマホ・カメラ◯(カメラアダプター別売り)
付属品NexStar+ハンドコントローラー(経緯台用)・スターポインターファインダー・25mm接眼レンズ・31.7mm天頂プリズム・取扱説明書・保証書
重量13.6kg
その他集光力:肉眼の459倍・鏡筒サイズ:外形181×長さ406mm・自動導入機能内蔵
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.0)
機能性(多機能5~単機能1)
(5.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(3.5)
ポイント
  • 付属の液晶付きのハンドコントローラーには、4万個以上の天体情報が内蔵されています。
  • 架台に赤道儀を採用しているため、少しずつ移動する観測対象を追えます。
  • 屈折式と反射式の長所を併せ持っているため、星像を結ぶパフォーマンスに優れています。

「ビクセン セレストロン天体望遠鏡 NexStar 6SE SCT」の特徴

鏡筒を操作する液晶付きのハンドコントローラーには、4万個以上の天体情報が内蔵されているため、初心者もかんたんに観測対象を導入できます。また、赤道儀で星の動きを追える点も便利です。

こんな人におすすめ
最高級の性能で観測対象をすばやく導入し、星の動きに合わせながら長時間の観測をしたい人におすすめです。

【9位】サイトロンジャパン スカイウォッチャー スタークエスト P114N

鏡筒の種類反射式(ニュートン式)
口径114mm
レンズの倍率
焦点距離(F値)500mm(F1/4.4)
架台赤道儀(手動式)
ファインダー光学式(レッドドットファインダー)
スマホ・カメラ撮影◯(非純正アダプター使用)
付属品
重量鏡筒:約2kg(三脚込み:約6kg)
その他集光力:肉眼の265倍・極限等級:12.1等
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(4.0)
ポイント
  • リーズナブルな価格で放物面鏡と赤道儀を採用している、初心者向けの本格的な天体望遠鏡です。
  • 放物面鏡の採用により、星像の球面収差を抑えます。
  • 放物面鏡の採用で短焦点が可能になったため、コンパクトなサイズにまとまっています。

「サイトロンジャパン スカイウォッチャー スタークエスト P114N」の特徴

安い価格で主鏡に放物面鏡を採用している、コスパ最強の本格的な天体望遠鏡です。放物面鏡は球面収差を抑えて単焦点を可能にするため、反射式の中でも特にシャープな星像を結びます。

こんな人におすすめ
F値が小さな放物面鏡の反射式天体望遠鏡は、星雲・星団だけではなく、木星や土星などの惑星観測もしてみたい初心者におすすめです。

【8位】ミザールテック MIZAR ST-700

鏡筒の種類屈折式
口径60mm
レンズの倍率35・56・175倍
焦点距離(F値)700mm(約F11.7/計算値)
架台経緯台
ファインダー光学ファインダー
スマホ・カメラ撮影
付属品3倍バローレンズ・1.5倍地用接アダプター・天頂ミラー
重量4kg
その他
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(4.5)
ポイント
  • 3倍バローレンズにより、最大525倍の倍率で天体観測ができます。
  • 価格がとても安いため、入門用に最適です。
  • リーズナブルな価格で、5倍率の光学ファインダーを標準装備しています。

「ミザールテック MIZAR ST-700」の特徴

35・56・175倍率での天体観測が可能で、さらに付属のバローレンズを使用すると最大525倍で観測ができます。また、安い価格で5倍率の光学ファインダーを標準装備しているのも魅力です。

こんな人におすすめ
低価格で光学ファインダーを標準装備しているため、子供や初心者が初めて天体観測をする際の入門用におすすめです。

【7位】ケンコー・トキナー スカイエクスプローラー SE-GT100N

鏡筒の種類反射式(ニュートン式)
口径100mm
レンズの倍率200倍(有効最低倍率:14倍)
焦点距離(F値)450mm(F4.5)
架台経緯台
ファインダー光学(24mm6倍率)
スマホ・カメラ撮影◯(別売りの撮影アダプター使用)
付属品NEWスカイコントローラー・6×24mmファインダー・アイピース(10mm・25mm)・電池BOX・工具・RS-232ケーブル・コンパス
重量5kg
その他集光力:肉眼の204.08倍・極限等級:11.8等星・自動追尾モード・モーター&手動の2WAY仕様・自動導入天体望遠鏡にアップグレード可能
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(5.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(4.5)
ポイント
  • 自動導入機能と追尾機能により、素早く導入した天体を視野の中心に捉え続けます。
  • モーターと手動の2WAY仕様で、モーター駆動時も手動時も動かしたときの角度を読み取ります。
  • 素早い動作で機敏な導入ができます。

「ケンコー・トキナー スカイエクスプローラー SE-GT100N」の特徴

4万個以上の天体を記憶しているNEWスカイコントローラーと自動導入機能により、初心者も素早く観測対象の導入をして天体の追尾ができます。

こんな人におすすめ
素早く観測対象を見つけて、天体を見失うことなくじっくり観測をしたい人におすすめです。

【6位】ミザールテック MIZAR TS-70

鏡筒の種類屈折式
口径70mm
レンズの倍率24・50倍
焦点距離(F値)300mm
架台経緯台
ファインダー光学(24mm5倍率)
スマホ・カメラ撮影
付属品地上接眼鏡・天頂ミラ-・卓上三脚・1.5倍地上観察アダプター
重量
その他
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(3.0)
ポイント
  • 三脚付きの卓上用天体望遠鏡なので、寒い季節は室内から天体観測ができます。
  • コンパクトなので、子供もかんたんに取り扱えます。
  • 価格がとても安いので、子供の入門用に最適です。

「ミザールテック MIZAR TS-70」の特徴

とても安い価格で5倍率のファインダーを備えた天体望遠鏡は、幼稚園から小学校低学年の子供用に最適です。50倍率で、月の全体像を観測できます。

こんな人におすすめ
1万円以下で選べるため、星に興味を持ち始めた子供の入門用におすすめです。

【5位】ケンコー・トキナー Sky Explore SE-AT100N

鏡筒の種類反射式(ニュートン式)
口径100mm
レンズの倍率200倍(有効最低倍率:14倍)
焦点距離(F値)450mm(F4.5)
架台経緯台
ファインダー光学(24mm6倍率)
スマホ・カメラ撮影◯(別売りアダプター使用)
付属品接眼レンズ:20/10/6.3mm・3倍バローレンズ
重量5.6kg
その他集光力:肉眼の204倍・限界等級:11.8等星・自動追尾機能
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.0)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.5)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(4.5)
ポイント
  • 自動追尾機能を搭載しているため、常に星を中心に捉え続けます。
  • 三脚を使用しない卓上型で、室内からの観測が可能です。
  • コンパクトで軽量なため、車に積んで移動するのも手軽です。

「ケンコー・トキナー Sky Explore SE-AT100N」の特徴

自動追尾モードを搭載しているため、地球の自転で移動する天体を常に捉え続けます。固定していると約2分で星が視野から外れるため、自動追尾モードはじっくりと観測するときにとても便利です。

こんな人におすすめ
車に積んで持ち運びやすいコンパクトなサイズ感と自動追尾モードは、ファミリーキャンプで子供と星空を観測したい人におすすめです。

【4位】ケンコー・トキナー SKY WALKER SW-0

鏡筒の種類屈折式
口径50mm
レンズの倍率18・28.8・90倍
焦点距離(F値)360mm
架台経緯台
ファインダー光学(24mm5倍率)
スマホ・カメラ撮影
付属品アルミ三脚・アイピース(4mm/12.5mm/20mm)5×24ファインダー・3倍バーローレンズ・天体観測用天頂ミラー・地上観察用正立プリズム・取扱説明書・星座早見盤
重量0.88kg
その他集光力:肉眼の51倍・極限等級:10.2等星
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(5.0)
ポイント
  • 付属の3倍バローレンズの使用で、最大270倍の観測ができます。
  • 最強の低価格で選べます。
  • 幼稚園児や小学校低学年の子供用に最適です。

「ケンコー・トキナー SKY WALKER SW-0」の特徴

最強の低価格で選べるので、気軽に天体観測の体験ができます。夏休みや冬休みの自由研究に、月の満ち欠けを観測してみませんか。

こんな人におすすめ
天体望遠鏡を体験してみたい幼稚園児や小学校低学年の自由研究用におすすめです。

【3位】スコープテック アトラス60

鏡筒の種類屈折式
口径60mm
レンズの倍率40・64・133倍
焦点距離(F値)800mm
架台経緯台(全周微動装置付き)
ファインダー素通しファインダー
スマホ・カメラ撮影◯(非純正アダプター使用)
付属品アイピース(20/12.5/6mm)
重量4.5kg
その他集光力:肉眼の100倍
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(4.5)
ポイント
  • 800mmの焦点距離により、色収差と高倍率時の球面収差を抑えられます。
  • 全周微動装置により、高倍率時の繊細な方向修正が可能です。
  • 子供もかんたんに操作ができます。

「スコープテック アトラス60」の特徴

全周微動装置が付いているため、高倍率時でも繊細な星の追尾が可能です。土星の星像をシャープに結ぶポテンシャルを持っています。

こんな人におすすめ
操作性が良いため、子供の月や地球から近い惑星観測におすすめです。

【2位】ビクセン ポルタII A80Mf

鏡筒の種類屈折式
口径80mm
レンズの倍率46・144倍
焦点距離(F値)910mm(F11.4)
架台経緯台
ファインダー光学(30mm6倍率)
スマホ・カメラ撮影◯(別売りアダプター使用)
付属品正立天頂プリズム31.7mm・星座早見盤・星空ガイドブック
重量9kg
その他集光力:肉眼の131倍・極限等級:11.3等星
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(5.0)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.5)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(3.5)
ポイント
  • 手動で動かしたあとは、鏡筒が固定されるフリーストップ機能を搭載しています。
  • 正立天頂プリズムは上下が反転しないため、初心者も違和感がない観測を行えます。
  • 木星の大斑点や土星のカッシーニの溝を観測できます。

「ビクセン ポルタII A80Mf」の特徴

マルチコートの対物レンズにより、コントラストが高い星像を結びます。ビクセンらしいユーザーファーストの作りと優れたパフォーマンス性で人気を集めており、ECサイトの売れ筋ランキングにも登場しています。

こんな人におすすめ
高いポテンシャルでコントラストが良い星像を結ぶため、手軽に扱える高性能機を求めている人におすすめです。

【1位】スコープテック ラプトル60

鏡筒の種類屈折式
口径60mm
レンズの倍率35・87.5倍
焦点距離700mm(F8)
架台経緯台
ファインダー素通しファインダー
スマホ・カメラ撮影◯(非純正アダプター使用)
付属品アイピース(K.20mm/F.8mm)天頂ミラー・31.7-24.5接眼アダプター・アクセサリートレー・組立取扱説明書
重量2.5kg
その他伸縮機能付き三脚
評価・レビュー
使いやすさ(初心者向き5~上級者向き1)
(4.5)
機能性(多機能5~単機能1)
(4.0)
持ち運びやすさ(軽い5~重い1)
(5.0)
ポイント
  • フリーストップ機能を搭載しているため、子供も導入がしやすい仕様です。
  • 日本製で鏡筒内までていねいに作られているため、高性能な品質に仕上がっています。
  • ECサイトの売れ筋ランキングでも人気を集めています。

「スコープテック ラプトル60」の特徴

ECサイトの売れ筋ランキングでも人気を集めている、日本製の高品質で高性能な天体望遠鏡です。子供が使える天体望遠鏡として開発しましたが、高性能であるため上級者のサブ機にも選ばれています。

こんな人におすすめ
子供が使いやすい日本製の高性能な天体望遠鏡を探している人や上級者のサブ機におすすめです。

天体望遠鏡とは?どこまで見える?

星空と望遠鏡
天体望遠鏡とは、肉眼では確認できない星の姿を捉える望遠鏡を指します。天体望遠鏡で、どこまで遠くの星を観測できるのか気になりませんか。多くの星団は50倍ほどの倍率で観測ができ、150倍ほどで惑星の詳細な姿を観測できます。

例を挙げると、230万光年先のアンドロメダ座大星雲や7350万光年先のペルセウス座にある二重星団の観測も可能です。光年とは光が1年間に進む距離で、1光年は約9兆4670億kmといわれています。

夜空に浮かぶ星は、光の速さで数百万年・数千万年の時を流れて地球に届いた光です。天体望遠鏡で見える遥か彼方の星は、光速で数百万年・数千万年前の姿であるため、天体望遠鏡で宇宙の歴史が見えるともいえます。天体望遠鏡で、想像を超える宇宙の神秘を実感してみませんか。

天体望遠鏡の種類

天体望遠鏡の主な3つの種類を解説します。

  • メンテナンスフリーで初心者も使いやすい「屈折式」天体望遠鏡
  • 宇宙の姿をシャープに結ぶ「反射式」天体望遠鏡
  • コストパフォーマンスに優れている「カタディオプトリック式」天体望遠鏡

メンテナンスフリーで初心者も使いやすい「屈折式」天体望遠鏡

屈折式天体望遠鏡は、コントラストが良く安定した視野を得られます。また、正面に向かって覗くため、観測対象を見つけやすいのもメリットです。

しかし、レンズの倍率が高くなるほど、色収差(いろしゅうさ)と呼ばれる色のにじみが発生します。複数枚のレンズを搭載しているため、重たい点もデメリットです。

屈折式天体望遠鏡は、レンズが汚れない限りはほぼメンテナンスフリーで使えます。構造がかんたんなので、天体観測の初心者入門用天体の写真撮影におすすめです。

宇宙の姿をシャープに結ぶ「反射式」天体望遠鏡

反射式天体望遠鏡は、色鮮やかな星像を結べるのがメリットです。屈折式と比較した場合、色にじみが少なく、視野の中心部ではシャープな星像を結ぶため、星雲・星団・暗い星の観測に優れたパフォーマンスを発揮します。また、大口径でも手頃な価格で選べるのも魅力です。

しかし、光の進路を変える構造がコントラストに若干の影響を与え、ケラレと呼ばれる像の悪化を招きます。また、定期的に光軸合わせをしなくてはいけません。室内と室外で温度差が激しい環境下では像が不安定になるため、安定するまで時間を要する場合があります。

反射式天体望遠鏡は、星雲や星団が放つ色彩の美しさを楽しみながら、宇宙の神秘を実感したい人におすすめです。

コストパフォーマンスに優れている「カタディオプトリック式」天体望遠鏡

カタディオプトリック式天体望遠鏡は、屈折式と反射式の長所を併せ持っているのが特徴です。色収差球面収差像面湾曲を高次元のレベルで補正するためコストパフォーマンスに優れています。また、カタディオプトリック式天体望遠鏡は、鏡筒が短いため持ち運びやすく、観測中も取り回しをし易いのがメリットです。

ただし、反射式と同様に、鏡筒内で気流が発生すると星像の悪化が起こるため、使用前は慣らしが必要です。また、衝撃を受けると光軸がズレます。カタディオプトリック式天体望遠鏡の光軸調整は、構造が複雑なため初心者には難しい作業です。カタディオプトリック式天体望遠鏡は、天体望遠鏡の取り扱いや天体観測に慣れている中級者以上におすすめです。

天体望遠鏡メーカー比較一覧

野外での天体望遠鏡
天体望遠鏡のおすすめメーカー10社と特徴や評価を解説します。

  • ビクセン
  • ミード
  • ボーグ
  • タカハシ
  • セレストロン
  • ミザール
  • ケンコー
  • ペンタックス
  • スコープテック
  • YsinoBear

ビクセン
ビクセンは天体望遠鏡において国内トップシェアをほこる光学機器メーカーです。可動域の広い鏡筒に接眼部を固定できるフォーカス調整機構を備え、各パーツの着脱もかんたんなため初心者でも楽に使いこなせるでしょう。

高価な製品になると追尾精度の高い赤道儀や、見たい星座に視野を合わせてくれるナビゲーションコントローラも搭載され、天体観測の幅が格段に広がります。価格帯はピンキリですが、どの製品も機能性と使いやすさを両立しているため幅広い層におすすめできます。

ミード
ミードは望遠鏡製造のメッカともいえる世界最大級の光学機器メーカーで、本社はアメリカのロサンゼルスにあります。大口径・高倍率でありながらシャープな画像を楽しめ、また観測地を登録することで基準星を自動導入してくれる機能もあるので、惑星観察にはもってこいです。

短所としては多くの製品が鏡筒とフォーク部を切り離せず、重量もあるため持ち運びには向かないという点が挙げられます。しかしその分、自動導入速度を落とした静音モードなど、自宅での常設使用に適った工夫も施されています。

ボーグ
ボーグはタカラトミーの子会社・トミーテックが所有する望遠鏡ブランドであり、本体が軽いうえパーツを細かく分解できるのが魅力です。世界最小の赤道儀を搭載し観測性能も十分なため、海外旅行時など遠方で天体観測を行う際は特に重宝します。

全てのパーツが単体でも販売されているので、望遠鏡を自作するような天文マニアの人にもおすすめです。ただしパーツ数が多いほど管理やお手入れ、現地での組み立ての手間が増えることは覚えておきましょう。

タカハシ
タカハシの天体望遠鏡は観測性能に特化した製品が多く、色収差の完全排除による圧倒的な光量は、惑星や星雲をこのうえなく鮮明に映してくれます。高価な製品が多いものの、赤道儀が鋳物で作られているなど堅牢性にも優れているため、一度買えば長く使い続けられます。

丁寧かつ頑丈な作りの影響で本体がかなり重いため、アウトドア等のお供にする場合は車移動が必須といえるでしょう。また操作には天体観測に対する一定の知識が必要なので、事前に他社の安価な製品で望遠鏡をある程度使い慣れておくことをおすすめします。

セレストロン
セレストロンはアメリカのカリフォルニアに本社を構えるメーカーで、同社から発売されているシュミットカセグレン式望遠鏡は、日本でも「シュミカセ」と呼ばれる有名シリーズです。大口径でありながらコンパクトな構造なので、自宅のベランダなど手狭な場所での天体観測にはピッタリです。

またGPS機能によって日時や緯度経度を判別してくれるなど、自動導入機能も非常に取り回しがよくなっています。光学性能だけでいえば他社製品の方が安価かつ優秀なため、使いやすさが第一という人に向いています

ミザール
ミザールの天体望遠鏡は軽量コンパクトな製品が多く、価格帯も1~10万円ほどと非常に安いためお子様へのプレゼントにおすすめです。レンズ径や焦点距離といった数値のバランスがよく、ブレも少ないので初めての天体観測にはピッタリでしょう。

自動導入機能などは備わっていないので、子どもが望遠鏡の操作を理解するまでは大人によるレクチャーが必要です。また1万円台の類似品のなかには全く使い物にならない製品も少なくないので、お求めの際はメーカーの名前をしっかり確認しておきましょう。

ケンコー
ケンコーの天体望遠鏡はコストパフォーマンスに優れた製品が多く、大口径の反射望遠鏡や自動追尾機能を有した赤道儀を他社製品の半額前後で入手できます。カメラを装着すると自動で連写してくれる機能もあるため、鑑賞だけでなく撮影もしたいという人におすすめです。

強度不足や極軸のズレなど細かい懸念点はいくつかあり、使いこなすには鏡筒やモーターの調整が必要なため初心者には向いていません。一方で、望遠鏡を自分で調整・改造したい上級者にとっては非常に良い素材となるでしょう。

ペンタックス
ペンタックスは2009年に望遠鏡製造から撤退しているメーカーで、現在は同社の中古品のみが出回っています。抜群の集光力をほこる鏡筒、頑丈かつスピーディーな赤道儀を搭載し、1990~2000年代の製品でありながら光学性能は他社の最新の望遠鏡にも引けを取りません。

重量的には遠征観測に適しているとは言いがたいものの、北天用・南天用のレチクルを標準装備しているため、赤道儀の追尾性能を世界中どこでも発揮することができます。中古品は入手難易度が非常に高いので、お求めの際は中古ショップやオークションサイトを日々チェックしておきましょう。

スコープテック
スコープテックは初心者向けの望遠鏡を多く販売しているメーカーで、学校や公民館などでも広く使われています。望遠鏡の向きを調節しやすいのぞき穴ファインダーや上下左右自由に動かせる架台など、初心者でも気軽に使えるようにするための工夫が満載です。

安価な入門機でありながらツヤ消しや遮光処理が行き届いており、天文愛好家からも支持を集めています。またフルカラー50ページの「星空観察ガイド」が付属しているので、天文趣味を勧めたい相手へのプレゼントにもおすすめです。

YsinoBear
YsinoBearの天体望遠鏡は3種類の接眼レンズなどセット内容が豊富で、対象物に合わせて手軽に倍率を調整できるのが魅力です。軽量コンパクトな構造で組み立てもかんたんなため、アウトドアのお供として初心者でも楽に携帯できます

星雲などの暗い天体を観測するのには不向きで、また水平方向の調整は完全手動で行う必要があります。それでも1万円を切る望遠鏡としては大変取り回しがいいので、「慣れてきたらより高価な望遠鏡にステップアップする」という前提で購入するといいでしょう。

天体望遠鏡の選び方

綺麗な星空
天体望遠鏡の選び方を以下の5つのポイントから解説します。

  • 観測対象に合わせて鏡筒の種類を選ぶ
  • 観測内容に合わせて口径と倍率をチェック
  • 星を見つけるファインダーの種類をチェック
  • 感動をシェアするならカメラ・スマホ対応をチェック
  • その他の便利な機能をチェック

観測対象に合わせて鏡筒の種類とF値をチェック

鏡筒の種類は、屈折式・反射式・カタディオプトリック式の3つです。それぞれ特徴が異なるため、観測対象に合わせて選びましょう。F値については、観測内容に合わせて「口径・焦点距離・F値」をチェックで詳しく解説します。ぜひ、併せて読んでください。

屈折式天体望遠鏡

身近な太陽や月・明けの明星(明け方の金星)や宵の明星(日没後の金星)・木星などの惑星や二重星を観測するなら、コントラストの良い屈折式がおすすめです。初心者は、F8を目安に選びましょう。※太陽を観測する際は、遮光板が必要です。

反射式天体望遠鏡

星雲・星団・暗い星を観測する場合は、色のにじみが少ない反射式をチェックしてみてください。宇宙に色めく神秘を実感できます。ただし、反射式天体望遠鏡で、太陽観測はできません。初心者は、F5〜F6を目安にするのがおすすめです。

カタディオプトリック式天体望遠鏡

鏡筒の長さが短く持ち運びやすいため、頻繁に星空を観測する人や遠出の天体観測におすすめです。また、屈折式と反射式のメリットを併せ持っているため、星空を幅広く観測したい人もチェックしてみてください。

ただし、カタディオプトリック式天体望遠鏡では、太陽観測ができません。初心者は、F8を目安に選びましょう。

観測対象や使うシーンに合わせて「鏡筒の種類」で選ぶ

鏡筒とは、星の光を通す筒状の本体を指します。屈折式・反射式・方ディオプロリック式の特徴を解説するので、天体望遠鏡を選ぶ際の参考にしてください。

太陽の観測ができる「屈折式」天体望遠鏡

屈折式天体望遠鏡は、レンズが汚れない限りほぼメンテナンスフリーで使えるため、天体観測の初心者や天体望遠鏡の入門用におすすめです。また、屈折式天体望遠鏡は、惑星や月だけではなく太陽観測もできます。

神秘的な星雲の姿や暗い星の観測には「反射式」天体望遠鏡

反射式天体望遠鏡は、色のにじみが少なくシャープな星像を結ぶため、星雲・星団・暗い星の観測に向いています。しかし、定期的な光軸調整が必要です。また、秋や冬の雪国は室内と室外の温度差が激しいため、星像が安定するまで時間を要します。

コストパフォーマンスで選ぶなら「カタディオプトリック式」天体望遠鏡

カタディオプトリック式天体望遠鏡は、屈折式と反射式の特徴を併せ持っているため、コストパフォーマンスで選びたい人はチェックしてみてください。鏡筒が短く持ち運びやすいため、毎日のように星空の観測したい人に向いています。ただし、構造が複雑なため、取り扱いには慣れが必要です。

観測内容に合わせて「口径・焦点距離・F値」をチェック

詳細な天体観測や天体撮影に影響を与える、口径・焦点距離・F値について解説します。口径(有口径)とは、主鏡の直径を指すことばです。口径が大きいほど多くの光を集められるため、暗い星の観測や写真撮影に優れたパフォーマンスを発揮します。

焦点距離とは、主鏡から反射、または屈折した光が1ヶ所に集中する点までの長さです。天体望遠鏡の明るさはF値で表し、F値が小さいほど明るいため、暗い星の観測に威力を発揮します。F値とは、「主鏡の焦点距離÷主鏡の口径」で求められる値です。

観測対象に合わせて「倍率」をチェック

天体望遠鏡は倍率が高いほど良く見えるわけではないため、観測対象に合わせて倍率を選ぶのが重要なポイントです。同じ口径で倍率を上げ過ぎると、星像は暗くなったりボヤけたりして見えにくくなります。

星像が見えにくくなる限界の倍率を最高倍率と呼び、口径(mm)の2倍が目安です。また、口径の半分くらいを適正倍率といい、最も観測に適しています。

40〜150倍・50倍で月の全体像が視野いっぱいに広がる。70倍以上でクレーターや月の海の形状が見える。口径100mmの70〜140倍でクレーターの観測、140mm以上で小クレーターの詳細を観測できる。140倍以上の100mmでは裂け目や山々の詳細がわかり、150mm以上で小さな起伏や裂け目の詳細がわかる。
水星・金星60〜100倍・水星は三日月形の変化、金星は満ち欠けや大きさの変化を観測できる。
火星90〜150倍・口径60mmの70〜140倍で、地球に大接近をした際に火星の薄い縞模様・大シルチス・極冠を観測できる。80mmでは極冠や薄暗い模様を観測できる。100mmの140倍以上では接近の際に種々の模様を観測でき、200倍以上で種々の模様を観測できる。
木星70〜150倍・木星の最も大きなガリレオ衛星や美しい縞模様を観測できる。口径100mmの70〜140倍では、縞模様の細部を観測できる。150倍で4つの衛星の位置観測ができる。口径150mmの140倍以上で縞模様の微細構造や変化を観測できる。
土星60〜150倍・口径60mmで土星の姿をこぢんまりと捉える。口径80mmの70〜140倍で土星の環や衛星のタイタンが見やすくなる。80mmでは土星の縞模様・環の濃淡・カッシーニ溝を観測できる。150mm以上の140倍で土星の縞模様を確認でき、最外観をはっきりと確認できる。
二重星40〜150倍・100個を超える二重星の観測ができる。
変光星30〜50倍・10等級以上の変光星を約500個観測できる。
星雲・星団20〜100倍・200個以上の星雲や星団を観測できる。

感動をシェアするならカメラ・スマホ対応をチェック

満天の星や宇宙の姿をシェアするなら、カメラ・スマホ対応の天体望遠鏡をチェックしてみてください。TwitterやInstagramなどのSNSでは、ファッションや料理などさまざまな画像がアップされており、星空もその中のひとつです。

カメラ・スマホ対応の天体望遠鏡なら、手軽に星雲の神秘的な姿・惑星の満ち欠けや模様の変化・星団の美しい姿など、宇宙の神秘を実感したときの感動をシェアできます。

その他の便利な機能をチェック

快適な天体観測を可能にする、便利な架台やファインダーにも注目をしてみましょう。

天体望遠鏡の方向を変える「架台」

架台とは、天体望遠鏡を支えて方向を変える重要な部分を指します。架台の種類は、経緯台と赤道儀の2つです。

経緯台は、天体望遠鏡の向きを上下と水平方向に変えられます。カメラの三脚と同じような構造で扱いやすいため、天体観測や天体望遠鏡の初心者におすすめです。

赤道儀は2つの回転軸により、天体望遠鏡の方向を星の日周運動方向と垂直方向に向けられます。北半球の日本では、北極星を軸として星の動きと同じ円を描くように動くのが特徴です。星の動きを正確に追いたい人は、赤道儀をチェックしてみてください。ただし、使用前に極軸を合わせる手間がかかります。

星を視野内へと導く「ファインダー」

天体望遠鏡のファインダーとは、観測対象の天体を天体望遠鏡の視野内へ導く際に使用するパーツです。ファインダーには、素通しファインダー(覗き穴ファインダー)と光学ファインダーの2種類があります。

素通しファインダーは調整が不要なため、初心者子供もかんたんに取り扱えます。レンズが付いていないため、等倍率です。

一方の光学ファインダーは、小さな望遠鏡のような形状をしています。光学ファインダーの種類は、屈折望遠鏡ファインダーとレッドポイントファインダーの2つです。屈折望遠ファインダーは、星像が反転して映るため調整には慣れが必要です。レッドポイントファインダーは複雑な操作が不要なため、初心者も扱いやすいファインダーです。

天体望遠鏡の重要ポイントまとめ

天体望遠鏡の重要なポイントは以下の3つです。

  • 屈折式・反射式・カタディオプトリック式の違いにより、それぞれ最適な観測対象が異なる。
  • 天体望遠鏡の口径・倍率・F値によって、星像の見え方が変わる。
  • 天体望遠鏡で、肉眼では見えない宇宙の神秘を実感できる。


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