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友情や成長を軸にした青春ものを2024年の人気作や本屋大賞受賞作やネットランキングの上位作を織り交ぜてピックアップ。
ミステリーやファンタジーなど物語性の高いものから思春期の成長を描く人間ドラマまで、分かりやすく解説していきます。
この記事を書いたライター:ツバキ
2009年に宙目(ユマ)ケンというペンネームで幻冬舎主催の『パピルス新人賞』を受賞し、翌年『カミナリラヴァー』(幻冬舎)で小説家デビューしました。
以降はキンドル出版のKDPやカクヨム・noteなどの投稿サイトで小説を発表しながら、コツコツとマイペースで書き続けております!(^^)!。
絶対に読みたい恋愛小説のおすすめ15選。名作から最新まで紹介
青春小説の選び方
青春小説の選び方を以下の3つのポイントから解説します。
興味のあるジャンルを選ぶ
青春小説には、恋愛・スポーツ・泣ける感動ものなどの定番ジャンルがあり、興味のある題材を選ぶと満足できることが多いです。
この3つの要素は大体の青春ものに含まれていますが、あらすじやレビューを読めば多くの場合、どの色が濃いのかが分かります。
一般的に恋愛ものは感情を揺さぶられたい方、スポーツは熱くなりたい方、泣けるものは人間ドラマが好きな方におすすめです。
初心者は読みやすい会話主体の小説を
青春小説には児童文学もあるほど大体は読みやすくなっていますが、初めて小説を読む学生さんには会話主体の作品がおすすめ。
Amazonのサンプルページで序盤を読むなどすれば多くの場合、小説全体の会話と地の文のバランスが把握できるものです。
最も読みやすいのは青春を送る若者視点で書かれたものや、話し言葉による口語体の一人称であり、自然と頭に入ってきます。
物語とドラマのどちらを重視するか
小説やドラマの多くは根本的に物語とドラマのどちらを重視するかに分けられていて、この点も青春小説を選ぶ上で大切です。
この2つの見分け方の1つは文体にあり、シンプルな記述が多いものは物語、心理描写が多いものはドラマになります。
青春ものをワクワク楽しみたい方は物語中心の作品を、葛藤など若者の内面を掘り下げたものが読みたい方はドラマがおすすめです。
【恋愛】青春小説のおすすめ4選
君の膵臓をたべたい
作者 | 住野よる |
---|---|
初版発行年 | 2015年 |
ページ数/ファイルサイズ | 270ページ/1,928KB |
メディアミックス | 映画化・アニメ化 |
出版社 | 双葉社 |
- 闘病ものながら理不尽な運命に嘆くのではなく病と共に生きるヒロインの強さが光る
- 孤高を気取る高校生の「僕」がヒロインとの恋愛を通して成長するドラマ
- 小説初心者にも読みやすい文体で「僕」がさまざまな呼び名になるなど遊び心もたっぷり
- 僕とヒロインの会話には少なからず文学的な言い回しがありリアリティにはやや欠ける
「君の膵臓をたべたい」の特徴
「君の膵臓をたべたい」という情感あふれるメタファーが物語に深い余韻を残す、近年の青春恋愛小説を代表する人気作です。
ヒロインの最期は極めて受け入れがたいものですが、そのあまりの理不尽さがこの話に悲恋以上の重みを与えています。
黄色い目の魚
作者 | 佐藤多佳子 |
---|---|
初版発行年 | 1993年 |
ページ数/ファイルサイズ | 345ページ/351KB |
メディアミックス | - |
出版社 | 新潮社 |
- 少年少女の話し言葉による1人称リレー構成なので読みやすく感情移入しやすい
- 思春期に夢中になれることが見つからない2人が出会いを通じて成長するドラマ
- テッセイ・通ちゃん・少年の祖父など2人の周囲の大人たちの魅力も光る
- ストレートな感情を表現した口語体のためキャラを好きになれないとやや読みづらい
「黄色い目の魚」の特徴
本屋大賞受賞作家で小説から童話まで幅広く手掛ける佐藤多佳子による、16歳の少年少女の淡く切実な恋を描いた青春小説。
大人の恋との対比もあるなど青春ものに収まらない作風で、鎌倉の海辺の高校らしい江ノ電などの情景描写もあって好評です。
ノーマル・ピープル
作者 | サリー ルーニー |
---|---|
初版発行年 | 2018年 |
ページ数/ファイルサイズ | 320ページ/1,225KB |
メディアミックス | TVドラマ化(Hulu/BBC) |
出版社 | 早川書房 |
- コネルと彼の母が家政婦を務める家の令嬢マリアンによる身分差のある青春期の恋
- コネルとマリアン2人の主観が入れ替わるリレー構成で恋愛がフェアに描かれている
- アイルランドの小説ながら翻訳家・山崎まどかによる文体はシンプルかつ明瞭で読みやすい
- 日本では発売から数年しかたっていない事もあり単行本も電子書籍も高額になるのが残念
「ノーマル・ピープル」の特徴
英語圏の累計150万部、BBC制作のドラマも大好評の世界的な人気作で、ドラマにはない登場人物の心情が豊かに描かれています。
男女がノーマル・ピープル(普通の人)としてフラットな恋を楽しむ事さえ阻む現代格差を糾弾する社会派小説でもあります。
トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー
作者 | ガブリエル・セヴィン |
---|---|
初版発行年 | 2022年 |
ページ数/ファイルサイズ | 627ページ/3,377KB |
メディアミックス | – |
出版社 | 早川書房 |
- 著者セヴィンは本屋大賞翻訳部門で1位になった経歴があるなど日本でも人気の作家
- ゲーマーの2人の男女が大学で再会しゲームを共同開発する中で恋を育むユニークな物語
- 小説と上手く融和する形で「マリオ」や「ゼルダ」などお馴染みのゲームが数多く出てくる
- 紙の本で500ページを超える大長編作になるため小説初心者にはハードルが高め
「トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー」の特徴
2022年にNYタイムズ・Amazon・Appleのベストセラーに選ばれた世界的な人気作で、ゲーマー2人の30年の恋愛年代記です。
ゲーマーならではの視点が散りばめられているのも大きな魅力。共創と恋愛をシンクさせた哲学的な作風も評価されています。
【スポーツ】青春小説のおすすめ4選
風が強く吹いている
作者 | 三浦しをん |
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初版発行年 | 2006年 |
ページ数/ファイルサイズ | 580ページ/2,605KB |
メディアミックス | 映画化・TVアニメ化 |
出版社 | 新潮社 |
- 大学の学生寮に集う10人のメンバーはTVアニメになるほど個々のキャラ立ちがすごい
- マラソン初心者ばかりで箱根を目指すというありえない挑戦が物語をグイグイ引っ張る
- 不祥事を起こした天才ランナーとヒザに爆弾を抱えた熱血漢の友情と成長の物語
- ふりがながあるものの中高生には難しめの漢字が多く使われているのでやや読みにくい
「風が強く吹いている」の特徴
直木賞作家・三浦しをんによる学生寮の住人が1年で箱根を目指す物語で、漫画オタクや司法試験合格者など多彩なキャラが魅力的。
箱根に向けた学生たちの懸命の努力や走ること自体のすばらしさに気づかせてくれたという読者の声も多数あがっています。
チア☆ダン「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の真実
作者 | 円山 夢久 |
---|---|
初版発行年 | 2018年 |
ページ数/ファイルサイズ | 250ページ/6,404KB |
メディアミックス | 映画化・TVドラマ化・コミック |
出版社 | KADOKAWA |
- 福井商業高校チアリーダー部が全米チアダンス選手権を制する実話に基づいたノンフィクション小説
- 映画・TVドラマ・コミックとメディアミックスされていて小説版では実話のディテールが詳しく知れる
- 荒れた学校で生徒指導も努めるチアダン顧問の女教師が生徒たちを力強く引っ張る姿が大好評
- 実話がベースになっていることもあり人物の掘り下げや心情描写などにはやや欠ける
「チア☆ダン「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の真実」の特徴
小説や文章の講師も務める円山夢久による映画化された実話を子どもも読めるようノベライズした青春小説です。
挿絵があるので小説初心者にも最適。基本に忠実な文体のため小説家を目指す人への良き教科書にもなります。
バッテリー
作者 | あさのあつこ |
---|---|
初版発行年 | 2007年 |
ページ数/ファイルサイズ | 211ページ/1,704KB |
メディアミックス | TVドラマ化・漫画化・アニメ化 |
出版社 | KADOKAWA |
- わがままで天才肌のピッチャー巧と人望の厚いキャッターの豪のバッテリーの魅力が物語を引っ張る
- イラストつきの児童文学として書かれた会話中心のシンプルな文体なので読みやすい
- 少年野球を取り囲む大人たちの醜い姿がリアルに描かれる社会派小説の面もあり
- シリーズは全6冊あり合本版のページ数は1,000ページを超えるため読破するのは結構大変
「バッテリー」の特徴
累計1000万部を超える人気シリーズの1作目で、児童文学として書かれながら一般小説として高く評価された少年野球の物語。
思春期に尊敬しあえる存在と友情を深められることがいかにすばらしいかについて、全力投球の野球少年を通じて教えてくれます。
桐島、部活やめるってよ
作者 | 朝井リョウ |
---|---|
初版発行年 | 2010年 |
ページ数/ファイルサイズ | 202ページ/3,389KB |
メディアミックス | 映画化 |
出版社 | 集英社 |
- バレー部主将でクラス一の人気者・桐島が部活を辞めたことによる同級生の心情の変化を描くドラマ
- 6人の生徒を章立てにしたオムニバス形式の短編集で桐島がいなくなった5日間が多層的に描かれる
- スクールカーストや恋愛トラブルやグループ同士の確執などを通じた現代社会への問題提起もあり
- 高校生たちの心理描写が中心にありストーリーとしては淡々と進む
「桐島、部活やめるってよ」の特徴
直木賞作家・朝井リョウのデビュー作で、スポコン青春ものとは一味違う部活そのものの空しさを喚起する学生群像劇です。
桐島の不在によってクラスに起こる静かな波には、学校から解放される爽快感と共に重苦しい不安も読み取れます。
【泣ける】青春小説のおすすめ4選
きみの友だち
作者 | 重松 清 |
---|---|
初版発行年 | 2005年 |
ページ数/ファイルサイズ | 346ページ/576KB |
メディアミックス | 映画化 |
出版社 | 新潮社 |
- クラスに馴染めずどちらも難病を抱える少女2人の友情が描かれ涙を誘う
- 10編からなる連作短編集なので1作ずつ楽しみながら長編として読み切れる
- 自らの病に対照的な向き合い方をする2人が互いに支え合い成長するドラマ
- 主人公の恵美や複数の人物を指す「きみ」を主体にした珍しい二人称文体のためやや読みにくい
「きみの友だち」の特徴
版元の新潮社も「最泣の一冊」と明言する思春期の女子の友情物語で、2人の回りの人物も大いに生きています。
この作品を読めば、子ども大人を問わず「真の友情とは何か?」という問いへの答えを探らずにはいられません。
水車小屋のネネ
作者 | 津村 記久子 |
---|---|
初版発行年 | 2023年 |
ページ数/ファイルサイズ | 494ページ/15,921KB |
メディアミックス | - |
出版社 | 毎日新聞出版社 |
- 毒親から離れて家出をした18歳と8歳の姉妹が山間のそば店に住み込みで働く人情ドラマ
- そば店の水車小屋に住む大型インコのヨウムと世話をする人々との交流も読みどころ
- 長生きするヨウムを軸に1981年から2021年の40年間の2人の成長がつづられる年代記
- 文体は分かりやすいものの改行が少なく長文が続くためやや読みにくい
「水車小屋のネネ」の特徴
芥川賞作家・津村記久子による2024年の本屋大賞2位の人気作で、古き良き田舎の共同体を舞台にした人間ドラマです。
著者いわく「ちょっとした良心や親切」のある温かい人々の中で若い姉妹の成長する姿がみずみずしく描かれています。
スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編
作者 | スティーヴン・キング |
---|---|
初版発行年 | 1982年 |
ページ数/ファイルサイズ | 434ページ/- |
メディアミックス | 収録作3編がハリウッド映画化 |
出版社 | 新潮社 |
- アメリカの田舎町キャッスルロックで憂うつな思春期を送る少年たちによる2日間のアドベンチャー
- 列車にはねられた死体を探す旅という非日常性が少年たちの普段は見せない素顔や本音を引き出す
- 読みやすい短編集になっていて本作の他に映画「ショーシャンクの空に」の原作になった一遍もあり
- アメリカ文学史にも残る青春小説なだけに新訳や電子書籍版が日本に出ていないのが残念
「スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編」の特徴
ハリウッド史に残る青春映画の金字塔「スタンド・バイ・ミー」の原作短編で、クリスとゴーディの友情が感動を呼びます。
今から生を謳歌する12歳の少年たちが轢死した少年の死体を探しにゆくというパラドックスは文学的で多くのことを物語ります。
ムーン・パレス
作者 | ポール・オースター |
---|---|
初版発行年 | 1989年 |
ページ数/ファイルサイズ | 433ページ/909KB |
メディアミックス | - |
出版社 | 新潮社 |
- 肉親を失って天涯孤独になった大学生が友人や恋人を通じて再生する感動ドラマ
- 主人公が老人の回想録を代筆しながら知る破天荒なエピソードがミステリーを呼ぶ
- 祖父・父・息子のありえない偶然が主人公の運命を変えるストーリーが普遍性を持つ
- オースター文学は哲学的な要素も持つため読み込むにはある程度の読書体験が必要になる
「ムーン・パレス」の特徴
2024年の訃報が話題になるなど日本でも人気の作家・ポール・オースターによる青年の「自分探しの旅」を描いた人間ドラマ。
キティ・ウーとのみずみずしい恋愛と共に、あきらめの先にある青年の真の自立が静かな感動を伴って描かれています。
【中高生に】青春小説のおすすめ4選
成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ
作者 | 宮島未奈 |
---|---|
初版発行年 | 2023年 |
ページ数/ファイルサイズ | 193ページ/1,226KB |
メディアミックス | - |
出版社 | 新潮社 |
- 何でも全力投球の成瀬あかりが周囲を巻き込みながら変な挑戦を続けるユニークな青春熱血もの
- 成瀬あかりを巡る人たちと本人の視点が章ごとに切り替わり超絶キャラが豊かに描かれる
- 6つの連作短編集なので短いチャプターを1つずつ読みながら長編を読破できる
- クラスや友達の協調性を乱すような子はどうも苦手という方にはやや不向き
「成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ」の特徴
2024年「本屋大賞」1位、シリーズ累計55万部を突破した大ヒット作で、成瀬の爆裂キャラが多様性の時代とマッチして大人気。
琵琶湖に面した膳所(ぜぜ)など滋賀県の多様な魅力をフィーチャーした地方小説としても大いに評価されています。
夜のピクニック
作者 | 恩田 陸 |
---|---|
初版発行年 | 2004年 |
ページ数/ファイルサイズ | 363ページ/2,385KB |
メディアミックス | 映画化 |
出版社 | 新潮社 |
- 全校生徒が24時間かけて80㎞を歩く「歩行祭」を舞台にした高校生の群像劇
- 異母兄妹の西脇と甲田や学校のマドンナなど数多くの学生たちの人間模様も読みどころ
- 小説初心者の中高生も読みやすいラフな文体でありながら味わい深さも残す
- グイグイと引っ張ってくれるようなストーリー性を重視する方にはやや不向き
「夜のピクニック」の特徴
第2回「本屋大賞」を受賞した人気作で、著者・恩田陸の母校の「歩く会」をモチーフにした24時間の青春ストーリーです。
ただ一緒に歩くだけの時間が、むしろ修学旅行よりも思い出深いものなのではと思わせるような魅力にあふれています。
青空のむこう
作者 | アレックス シアラー |
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初版発行年 | 2001年 |
ページ数/ファイルサイズ | 207ページ/1,563KB |
メディアミックス | - |
出版社 | 求龍堂 |
- 交通事故で急死した10歳の少年・ハリーがあの世とこの世を行きかいながら生きる意味を問う
- 洋書でもとても読みやすい児童小説でありながら生死を巡るテーマが深く中高生にも最適
- 日本でも4作累計100万部を超える人気の英国作家であの世の受付の対応などユーモアもたっぷり
- 死者が舞い戻るというファンタジー系のありえない設定なのでキャラに共感しづらい面もあり
「青空のむこう」の特徴
YA(ヤングアダルト)作家として人気の著者アレックス・シアラーによるあの世とこの世で成長する10歳の少年の物語です。
死者の国の原始人や愛犬を探す幽霊などユニークなキャラも魅力的。生と死の実感を巡る哲学的な問いかけもあります。
ぼくらの七日間戦争 「ぼくら」シリーズ
作者 | 宗田 理 |
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初版発行年 | 1985年 |
ページ数/ファイルサイズ | 329ページ/5,556KB |
メディアミックス | 映画化・アニメ映画化 |
出版社 | KADOKAWA |
- 体罰が横行する学校に不満を抱いた中一男子たちが廃工場に立てこもる社会派ドラマ
- 正義感溢れる菊地を始め火薬・暗号・電気工作などに長けた個性あふれるキャラが魅力的
- 市長を始めとした汚れた大人たちを子どもたちがやっつける爽快感あふれるストーリー
- 昭和世代の中学生の話なので今の時代の学生には共感しづらい面もあり
「ぼくらの七日間戦争 「ぼくら」シリーズ」の特徴
累計1500万部を超える「ぼくら」シリーズの記念すべき第一作目で、全共闘の解放区をまねて中学生たちが学校に反抗する物語。
著者の分身とも言える浮浪者の老人が仲間に加わる展開には、いつの時代の大人にも共通した子ども世代への罪悪感が読み取れます。
【映画化】青春小説のおすすめ4選
ペーパータウン
作者 | ジョン グリーン |
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初版発行年 | 2008年 |
ページ数/ファイルサイズ | 357ページ/6,619KB |
メディアミックス | 映画化 |
出版社 | 岩波書店 |
- 主人公のQが隣の家に住む学園の人気者マーゴと一夜の冒険に出た後に彼女が失踪するミステリー
- 洋書でもシンプルで読みやすい翻訳文であり著者らしいユニークな一人称語りが魅力的
- フロリダからニューヨークまで失踪したマーゴを探すQのドライブはまさに自分探しの旅で余韻を残す
- 自由奔放で周囲をふりまわす人気者の女子高生にはどうもついてゆけないという方にはやや不向き
「ペーパータウン」の特徴
日本でも人気のジョン・グリーンによるラブストーリーでありながら「エドガー賞」に輝くほどミステリーの魅力も光る作品。
さまざまなヒントを頼りにマーゴを探し求めるQを通して、友情・恋愛・孤独・自我といったテーマが浮き上がってきます。
ミッドナイト・ライブラリー
作者 | マット ヘイグ |
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初版発行年 | 2022年 |
ページ数/ファイルサイズ | 429ページ/1,247KB |
メディアミックス | 映画化予定 |
出版社 | ハーパーコリンズ・ジャパン |
- BTSメンバーも賛辞を贈る世界的なベストセラーで選ばなかった人生がある図書館が舞台の不思議な話
- 自殺を決意した主人公ノーラが選ばなかった人生をいくつも巡ることで成長する人間ドラマ
- 多くの才能とチャンスに恵まれた人が実際は何も手に入れていなかったという大筋が多くの共感を呼ぶ
- ノーラがあまりに多くの才能に恵まれていることにはリアリティがなく共感しづらい面もあり
「ミッドナイト・ライブラリー」の特徴
世界累計900万部・NYタイムズで100週を超えるベストセラー本で、不思議な図書館でいくつもの人生を歩む若者の成長物語。
誰かが望む人生と自らが望む人生という青春期の葛藤がベースにあり、それが多くのZ世代の心をつかんでいます。
小説 秒速5センチメートル
作者 | 新海誠 |
---|---|
初版発行年 | 2009年 |
ページ数/ファイルサイズ | 150ページ/1,787KB |
メディアミックス | 映画化 |
出版社 | KADOKAWA |
- 映画と同時進行で書かれた小説で初恋の少女へのプラトニックな愛に貫かれたラブストーリー
- 3つの短編小説仕立てで3章目では映画にはなかった主人公の社会人としての日々が描かれている
- 映画の鮮烈なヴィジュアルと同じように小説でも美しい情景描写があって楽しめる
- ボーイミーツガールの耽美的な純愛ものになるため恋愛のリアリティにはやや欠ける
「小説 秒速5センチメートル」の特徴
新海誠が映画制作と共に執筆したノベライズで、映画の幻想的でノスタルジックな空気感がそのまま小説として表現されています。
ヒロインが最後に口にした「この先もずっと大丈夫だと思う」という言葉は、読んだ人それぞれに大きな余韻を残します。
下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん
作者 | 嶽本 野ばら |
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初版発行年 | 2002年 |
ページ数/ファイルサイズ | 245ページ/1515KB |
メディアミックス | 映画化・漫画化 |
出版社 | 新潮社 |
- ロリータ趣味の桃子とバイクを乗り回すヤンキーのイチゴという対照的な2人の不思議な友情物語
- 青春映画の金字塔「下妻物語」の原作本で映画では描き切れなかったディテールが楽しめる
- 今や定番となったロリータファッションなどロリータ文化の教科書的な内容もあって興味深い
- 分かりやすい文章ながら改行が少なく長文が続く文体のため読みづらいのが残念
「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」の特徴
少女文化の後継者と自称する嶽本野ばらによるユニークな女子高生の友情物語で、キャラ総立ちの群像劇コメディでもあります。
道は180度違えど桃子もイチゴも自分の好きなことに一途であり、それが2人の友情に特別な輝きを与えています。
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この記事を書いたライターからのコメント
青春小説への読者レビューを読んでいると「若いときに読んでおきたかった」という後悔の言葉が“あるある”的によく書かれています。
私にも思春期に選ぶべきだったことや何も選ばなかったことへの後悔がありますが、選択とチャンスはどの年齢層にもあるはずです。
青春小説の大きな魅力の1つとして、その当たり前なのに見えなくなっていたことに気づかせてくれることがあるのだと思います。
今目の前に多くの選択肢があるのに見えないフリをしているだけだった…なんていう人は案外多いのではないでしょうか。
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